目次
Q16.ベース車はハイゼットとキャリイ、どっちがいいの?
A. 現行のハイゼットとキャリイは上げ方がほぼ同じです。しかしフロントのタイヤハウスの広さに違いがあり、履けるタイヤサイズも大きく変わってきます。たとえばハイゼットならノーマル車高でも165/60R15(外径579ミリ)を履けなくもないですが、キャリイは2インチアップしても厳しい。4インチアップでようやく履けるといった感じで、大径タイヤを装着しにくいです。でも走りはキャリイがいいんですよね。低速からトルク感があり、5MT車は1速から5速までバランスよく繋がります。一方でハイゼットは3速から4速、4速から5速も離れているので、引っ張って繋がないと失速します。どちらも一長一短です。
ハイゼットのアーチ幅は660ミリ広め。
キャリイのアーチ幅は580ミリ狭い。
Q17.オススメのタイヤ&サイズを教えて下さい
A. まずハイゼットから。ちょいアゲだとオープンカントリーR/Tの165/60R15が定番。ジオランダーX-ATの145R14もいいです。2インチアップだとオープンカントリーR/TやA/TⅢの165/80R14がギリギリ履けます。4インチアップはジオランダーX-ATの175/80R14。オバフェン装着ならマキシスバックショットの195R14もアリ。続いてキャリイ。ちょいアゲでは純正サイズしか履けませんが、オープンカントリーR/TやジオランダーM/Tが選べます。2インチアップなら155/65R14や165/65R14が候補。ジオランダーX-ATやM/T、オープンカントリーR/Tに設定があります。4インチアップはオープンカントリーR/TやジオランダーX-ATの165/60R15ですかね。上記銘柄だけでなく、マッドスターやグリップマックスもサイズ豊富です。
リフトアップ量 | ハイゼット | キャリイ |
ちょいアゲ(約30ミリ) | 165/60R15 | 145/80R12 |
2インチ(約50ミリ) | 165/80R14 | 165/65R14 |
4インチ(約100ミリ) | 175/80R14 | 165/60R15 |
Q18.貨物車用のホイールじゃないと車検NG?
A. 国内で流通しているホイールには、ほとんど「JWL」や「JWL-T」というマークが入ってます。これは国土交通省の安全基準をクリアした証で、乗用車向けホイールには「JWL」が、貨物車向けのホイールには「JWL-T」が刻印されます。軽トラの場合、以前は「JWL-T」でないと車検に通りませんでしたが、2014年に法改正で「JWL」マークでもいいことになりました。つまり現在は乗用ホイールでも車検OKということです。ただし、まれに「JWL-Tじゃないからダメ」とハネられる事例がいまだにあるようです。車検絡みの話ではお決まりですが、法規上ではセーフでも検査場や検査官によってアウトになる可能性があるんです。
「JWL」の刻印が入っていれば基本はOK。
Q19.直前直左視界の対策方法を教えて下さい
A. クルマの前側と左側に高さ1m×直径30cmのテスターを置き、それを運転席から視認(ミラーやモニター越しでもOK)できなかったらNGというやつですね。ちょいアゲでも見えなくなることもあるので、上げたら何らかの対策は必要と思った方がいいです。直前視界はモニター付きのドラレコやフロントカメラを追加する方法があります。直左視界は純正のアンダーミラーでカバーできるかと思いきや、ビミョ〜に死角になる位置もあり、検査官によってはダメ出しされます。なので当店では、他車種用の2面ミラーを左ヘッドライト上に追加して対策しています。これなら直前も直左も両方カバーできる上、見た目も大きく損なわない。取り付けも樹脂パネルにネジ穴を1つ開けるだけで済みます。
直前視界も直左視界も追加したミラーにバッチリ映ってます
Q20.噂の後部突入防止装置の件ってどんな感じですか?
A. 2021年9月以降に製造された軽トラは、後部突入防止の保安基準が厳しくなります。この法規はとてもややこしいのでざっくりお話します。軽トラの場合、地面からリアバンパー下縁(というかテールランプの下あたり)までの高さを550ミリ以下にしないとダメで、それを超えた場合は何らかの「後部突入防止装置」を取り付けて550ミリ以下にしてね、というものです。だいたい2インチアップしてそれなりのタイヤを履かせると550ミリ以上になるので、このあたりから対策が必要。4インチアップなら必須です。当店ではオリジナルの突入防止バーを用意して対策しています。
4インチアップ+175/80R14タイヤのデモカーで計測したところ、地面〜リアバンパー下縁までは612ミリ。地面〜投入防止バーの下縁は430ミリとなった。
但東オリジナルの突入防止バー。フレームの既存穴を使ってボルトオンで装着できる仕組み。ハイゼット用とキャリイ用の両方あり。価格は3万8500円。
▷軽トラカスタム[車高の上げ下げQ&A] まとめはこちら
K-CARスペシャル ドレスアップガイド Vol.38 軽トラカスタムガイドより