片側10mmを超えるオーバーフェンダー装着で、構造変更が必要になる!?【軽トラカスタム 車高の上げ下げ Q&A リフトアップ編 2/4】

リフトアップしたら車検証の記載が変わる? 構造変更ってどういうこと?

軽トラのプロが解説! ここ数年、アウトドアブームの影響もあってリフトアップ派が増えた一方、ローダウン系の人気もいまだ根強い。どちらもイケるのが軽トラの面白いところだが、これからカスタムしようと考えているなら、まずは基礎となる足まわりの知識を得たいところ。とはいえアゲとサゲではカスタムの内容や使用パーツが異なるし、注意点なども違ったりする。そこでユーザーからよく寄せられる疑問をリフトアップ&ローダウンで各20項目ずつピックアップ。気になる疑問をこれで解消しちゃいましょう!リフトアップ編は但東自動車・岩出さんに答えてもらいました。

Q6.実際、構造変更ってどうやってやるんですか?

A. リフトアップして全高が変わった場合の構造変更は簡単。検査場で「全高が上がったので構造変更して下さい」と伝えるだけ。書類も不要。検査手数料が1500円くらい高くなるだけですから、ユーザー車検の経験がある人なら自分でやれますよ。注意点としては構造変更=車検の取り直しとなり、新規車検の扱いになること。全高だけでなく全長や全幅も実測され、それが軽自動車の規格(全長3400ミリ×全幅1480ミリ×全高2000ミリ)を超えていると軽貨物として登録できません。よって全高2000ミリを超えたらダメですし、ガードバーなど継続車検時ならセーフのパーツも、構造変更時はほぼアウトになります。また同じ構造変更でも、リーフやシャックルを交換した場合は大変。事前に強度検討書等の書類と一緒に申請書類を検査場に提出。そこから1〜2週間で結果が出るのを待ち、OKだったら検査場で構造変更を受けるという流れです。

全高アップで構造変更しても、車検証は全高の数値が変わるだけで型式の横に「改」は付かない。「構造変更したクルマで継続車検を受ける際、たまに『改』が付いてないからダメ、と検査官にいわれることもあるみたいです。その時は全高の数値を見てもらえばOKです」。なお、軽トラで「改」が付くのはリーフやシャックルを換えて構造変更した場合(※左写真は普通車のものだが、こんな感じで表記される)となる。

Q7.2インチ以上のリフトアップキットはなぜパーツ点数が多い?

A.リフトアップ量が2インチ(約50ミリ)クラスになると、プロペラシャフトやドライブシャフト(四駆の場合)に角度が付きすぎてしまい、異音やトラブルの原因になります。そのため「メンバーダウン」といって、エンジンやミッションなどの位置を下げ、シャフト角度を補正するためのブロックやスペーサーなどが必要になる。また純正ショックのままでは長さが足りなくなるので、ロングショックや延長アダプターを使うことも。そうした諸々でパーツ点数はどうしても増えてしまい、キット代や取り付け工賃も高くなってしまうのです。

4インチアップ以上のリフトアップを行う場合、必要となる専用パーツも非常に多くなる。

Q8.がっつりアゲる場合の参考費用を教えて下さい

A. リフトアップキットの商品代と工賃を合わせて、2インチアップで20万円前後、4インチアップで30万円〜といったところでしょうか。これはキットの内容によっても大きく変わり、サスペンションは純正のまま、ブロックやスペーサー、アダプター等でかさ上げするタイプだと比較的安価になります。逆に車高調や専用サスペンションを組み合わせるタイプは高いです。安い方が魅力的に思えますが、乗り心地や走行安定性、リスク、履かせたいタイヤ&ホイールサイズなども加味して選ぶことをオススメします。

「サスペンションだけでなく、タイヤ&ホイールの予算のことも考えましょう」。

Q9.9ミリオバフェンはそのままで車検に通りますか?

A. 保安基準では全幅は±20ミリまでは変更OK。片側9ミリなら左右合わせて18ミリなのでセーフ、なハズですが、車検の現場ではアウトのケースもあるみたいです。両面テープの厚さ分や取り付けの加減で9ミリを超えてしまったり、そもそもオバフェンの時点で検査官にダメ出しされたり、理由は色々。100%車検対応とはいい切れないのが現実です。また同時に構造変更する場合も、「Q.06」でお伝えした通り新規車検となるためアウト(純正全幅1475ミリ+18ミリ=1493ミリで軽自動車の規格1480ミリをオーバー)となります。

但東自動車では片側8ミリのフェンダープロテクターをラインアップしている。

Q10.大きなオバフェンを付けたら白ナンバーになる?

A. 片側10ミリを超えるオバフェンは要構造変更。それも全高2000ミリまでの全高アップと違い、軽貨物の枠を外れて小型貨物という普通車の枠に入ってしまいます。なのでナンバーは白になって封印が付き、税額等が変更、毎年車検になります。車検も軽自動車検査協会ではなく陸運支局で受けることになり、車庫証明が必要になるなど、プロボックスなんかと同じ感覚のクルマになります。そう考えるとハードルはけっこう高くなりますが、がっつりオバフェンでワイドタイヤを履き、堂々と乗れるのは大きなメリットだと思います。

70mmワイドのオーバーフェンダー装着で、195タイヤもスマートに収まる。

軽トラカスタム[車高の上げ下げQ&A] まとめはこちら

K-CARスペシャル ドレスアップガイド Vol.38 軽トラカスタムガイドより

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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