免許の有無など、制度上の大きな違いが存在する!

毎日のちょっとした移動や通勤の足として、「新基準原付」や「特定小型原付」といった新しいモビリティに関心を持つ人は少なくないだろう。
だが、125cc以下の出力を制限した新基準原付と、電動キックボード等の特定小型原付は、似ているようで適用される法規がまったく異なる乗り物である。
では、具体的にどういった点が異なるのだろうか。

まずこれらのモビリティは、制度がスタートした導入時期も明確に異なっている。
まず特定小型原付は、2023年7月に新たな区分として導入が開始されており、一方の新基準原付は、排ガス規制の強化にともない、従来の50cc原付バイクの代わりとなる新たな基準として2025年4月に導入され始めたものだ。
また、新基準原付には免許が必要だが、特定小型は16歳以上であれば免許不要で乗れるなど、制度上の大きな違いも存在する。

同じような手軽さに見えても、新基準原付は原付免許や普通自動車免許などが必須となるというわけだ。
対して特定小型原付は、車体の長さ190cm以下かつ幅60cm以下で、定格出力0.6kW以下の電動モーターを搭載し、最高速度表示灯を備えるといった一定の保安基準や要件を満たすことで、幅広い層が利用できる区分となっているのが特徴だ。
もし「どちらも手軽な乗り物だから」と正しい知識を持たずに無免許で新基準原付を運転してしまった場合は、無免許運転と見なされて違反点数25点にくわえ、刑事罰として3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるリスクもある。
ルールの混同による交通違反のおそれに要注意!

また、新基準原付と特定小型原付は、ヘルメットの着用義務や歩道走行の可否、最高速度といった交通ルールも異なるため、これらを混同すると交通違反に直結しかねない。
たとえば、新基準原付は排気量の大きな車体をベースにしているが出力制限がかけられており、法定最高速度は従来の原付と同じ30km/hと定められている。
一方で特定小型原付の場合、公道を走行する際の最高速度は20km/hまでに制限されている。
さらに特定小型原付は、最高速度表示灯を点滅させるなどの一定の条件を満たした「特例特定小型原付」のモードに切り替えることで、自転車のように歩道の一部を走行することも可能だが、その際の最高速度は6km/hへと厳しく制限される。
なお、装備面に関しても、新基準原付は従来の原付一種と同様にヘルメットの着用が義務付けられており、原則として左側の車道を走行しなければならない。
これに対して特定小型原付は、ヘルメットの着用は努力義務にとどまっている。

無用なトラブルや交通事故を防ぐためにも、見た目の手軽さや速度感だけでこれらのモビリティを同じような乗り物として一括りにするのは、絶対に避けるべきだろう。
したがって、自分の用途に合った車両区分を正しく理解し、それぞれの決まりを厳格に守ることが、結果として安全で快適な利用への近道になりえる。
