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ノア/ヴォクシーがMクラストップへ!
旋風を巻き起こしたのは意外にもホンダだった。1908年代後半からのRV(レクリエーショナルビークル)ブームに完全に乗り遅れていたホンダだったが、1994年、オデッセイを登場させて大ヒット。一気に日本にミニバンを定着させた。さらに影響の大きかったクルマが1996年に登場する。
それがホンダ初のワンボックスといっていいステップワゴンだった。確かに軽ワンボックスのアクティは存在していたが、ホンダのそれは他社製よりもエンジンが後方に位置するミッドシップを採用していた。ゆえに通常のワンボックスのようなキャブオーバー型の経験がない。
そこでホンダはFFのアコードをベースにステップワゴンっを開発した。初代ステップワゴンはFFゆえの極めて低いフロアから広大な室内空間を有し、圧倒的な人気を獲得。乗り心地などが犠牲になりがちな商用バンの設定はなし。ステップワゴンは完全な乗用車だったことも隠れた人気要因と言える。
この頃登場していたキャブオーバー型由来のノーズ付きワンボックスは、すべてステップワゴンに駆逐されたと言っていい。ステップワゴンに追従するように、1999年には日産セレナがFF化。そして2001年、タウンエースノア/ライトエースノアもフルモデルチェンジされFFベースに生まれ変わる。車名はノアに変更され、さらに差別化された兄弟車、ヴォクシーも新設定された。もちろん商用バンは設定しなかった。
同年ステップワゴンもフルモデルチェンジされ2代目が登場。だが初代ほどの人気は得られず、ヴォクシーが意外な人気を集めたこともあって、ステップワゴンを逆転。ノア/ヴォクシーはこのクラスでナンバーワンのミニバンへと成長した。
以降は極めて順調な道を歩んできた。2代目ではスロットルボディの代わりに吸気バルブを連続変化させることで高効率と高出力を両立するバルブマチックと呼ぶ新エンジンをトヨタで初採用した。実用面ではシートのたたみ方にも工夫を凝らし、使い勝手も大いに向上させた。
3代目では伝家の宝刀ともいえるハイブリッドモデルを新設定する。ミニバンは大きく重いので燃費に不利、というネガティブ評価を破り、JC08モードながら23・8km/Lという高い燃費性能を実現。マイナーチェンジでは今や常識ともいえる自動ブレーキなど含む安全運転支援システム「トヨタセーフティセンス」にも対応した。
4代目では使い勝手などのさらなる向上を図っただけでなく、モビリティとしてのミニバンという課題にも取り組んだ。コネクティッドサービスへの対応はもちろん、次世代の自動運転にもつながるアドバンストドライブや、スマホで駐車・出庫操作ができるアドバンストパークも搭載するなど盛りだくさんだ。
ノア/ヴォクシーは兄貴分のアルファード/ヴェルファイアとともに、日本における今後のミニバン界を牽引する存在であり続けることは間違いない。
ライバルひしめく箱型5ナンバーに投入【初代】
ステップワゴンに惨敗した経験から、FFベースに大改革。細部を差別化したヴォクシーとともにデビューした新生ノア。2Lエンジンをフロントに横置き搭載し、前輪を駆動する(4WDも設定)。リアのスライドドアは両側に備え、FF化による広い室内は8人乗車を可能にした。ボディは5ナンバーサイズに収まり、従来用意されていた商用バンは廃止。通常モデルに加え、ノアには「S」、ヴォクシーには「Z」というエアロモデルも用意されていた。
ヒットとなったヴォクシー煌
走りのメカニズムも新機構採用した【2代目】
大成功となった初代からの正常進化。全車新開発エンジンを搭載するが、通常の2Lに加え、吸気バルブのリフト量を連続的に変化させる「バルブマチック」という新機軸も搭載した。通常2Lの143psに対し、バルブマチック車は158psと高出力ながら燃費性能にも優れる。使い勝手面ではワンタッチで折りたたみから跳ね上げまで可能なサードシートや、チャイルドシートに乗せやすいように外側に回転するセカンドシートなども用意した。
スポーティなG’sが初登場
待望のハイブリッドも新たに登場した【3代目】
時代の要求に応じて多方面でのアップデートが進んだ。通常モデルの2Lエンジン搭載車に加え、すでにプリウスなどに搭載されていた1.8Lハイブリッドを新設定した。ハイブリッドモデルのJC08モード燃費は23.8km/Lとミニバンの常識を破るものだった。また2016年にはレーザーレーダーと単眼カメラを組み合わせ、自動ブレーキなどの先進安全装備がセットになるトヨタセーフティセンスCも搭載した。
ミニアルファード!? エスクァイア登場
さらに使い勝手に磨きをかけて登場した【4代目】
あらゆる面でブラッシュアップが図られ、ハイブリッドモデルは新たにリアをモーター駆動する4WDを追加。FFではWLTCモードで23.4km/Lを達成する。通常の2Lモデルも10速シーケンシャルモード付きCVTを組み合わせた。運転支援システムなどの安全面も抜かりなく進化しており、車外からスマートフォンを操作し、駐車&出庫が可能なリモート機能「アドバンストパーク」なども新採用している。
STYLEWAGON(スタイルワゴン)2024年10月号
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]