音響調整をしないと宝の持ち腐れ!? カロッツェリアのフラッグシップカーナビ【サイバーナビ】様々な音響調整ができるって、知っていますか?

各スピーカーから耳までの距離をメジャーで実測! グッドサウンドを創り上げる!【デリカD:5 連載企画】今どき街オフ1stメイク Vol.2

短期集中のデリカD:5カスタム企画。前回は、カロッツェリアのフラッグシップカーナビ、「サイバーナビ」の最新モデルを中心に、スピーカー、フリップダウンモニター、サブウーファーを装着しました。で、今回はそのカーエレ一式を最高の状態で楽しむために、音響調整を学びに行ってきました!

サイバーナビの音響調整を使って、最高の車内エンタメ環境を整える

▶▶▶【デリカD:5 連載企画】今どき街オフ1stメイクまとめ

前回取り付けたカロッツェリアの最新サイバーナビ。車内をオンライン化できるネットワークスティックや、リアルタイムの渋滞情報、ナビの本質である自車位置精度、ルート検索の賢さなどが取り上げられることが多いが、同様にカロッツェリアがこだわる音質に迫ってみようと思う。

サイバーナビには、原音再生にこだわり、理想の高音質を追求し続けてきた長い歴史がある。そのハイエンドな技術を、より最大限に引き出す、または自分好みにアレンジするために、様々な調整機能が備わっているのだ。

今回は特別にパイオニア販売のマーケティング部、佐藤さんに実車での調整をして頂いた。サイバーナビユーザーは、この調整方法を参考にぜひ試してもらいたい。

当企画のデリカD:5では、運転席に乗る人を中心とした音響調整とするため、リアスピーカーはオフにし、フロント2ウェイスピーカーと、サブウーファーのみでの調整を行った。

まずはリスニングポジションの設定。フロント、フロント左右、オールと選べる。音響設定は2つのメモリー機能があるので、1人で乗る、家族で乗るなどシチュエーションが変わる場合は、それぞれのセッティングをメモリーしておけばOK。

最初に行うのはタイムアライメントの調整。車内のスピーカーは、運転席からみると、運転席側のスピーカーが近く、助手席側が遠い。スピーカーから音が出て耳に届くまでの距離が変わると、音の到達速度の違いで音がずれてしまう。

タイムアライメントはその音のずれをなくすための調整機能だ。調整方法はいたってアナログ。運転する姿勢を取り、各スピーカーから耳までの距離をメジャーで実測。その数値を入力する。

ここからは実際に音を出しての調整となる。まずは左右のスピーカーレベル、つまり左右のスピーカーから聞こえてくる音のボリュームを同じにする作業。左右のスピーカーから聞こえてくる音のボリュームに差が出てしまうと、音の勢いがどちらかに偏るなど聞きづらい音になってしまう。

調整するための音源は、ピンクノイズというザーというノイズ音源で、左だけの音、右だけの音が入った音源が分かりやすく、調整しやすい。WEB上でダウンロードできるようなものでもOK。

続いては、カットオフの調整。カットオフとはクロスオーバーとも呼ばれ、設定した周波数以下、以上の音をスピーカーから鳴らないようにするための機能。

今回のシステムでは、重低音を担当するサブウーファーがあるため、フロントスピーカーでは設定周波数以下の音(=設定した周波数よりも低い音)をカットするハイパスフィルター、サブウーファーは、設定周波数以上の音をカットするローパスフィルターを設定し、スピーカー、サブウーファーそれぞれに担当の範囲を決める。

これにより、各スピーカーが得意とする周波数帯域だけを再生させることで、能力をしっかりと発揮できるというワケ。ちなみにフロントの2ウェイスピーカー、TS‐C1730SⅡには、ドア部のウーファーとトゥイーターの2つのスピーカーが備わるが、信号分岐時にそれぞれに適した周波数帯域の信号のみが届く、ハイパスフィルター、ローパスフィルターの役目を持ったネットワークが備わる。

つまり、高音域はトゥイーター、中低音はウーファー、重低音はサブウーファーという役割分担が、サイバーナビの調整機能とスピーカーのネットワークの両輪で実現できるのだ。

最後はイコライザーでの調整。ここでは普段自分が良く聞く音楽を再生して、ボリュームが大きすぎる、または小さすぎる帯域を微調整していく。または、意図的に特定の帯域付近を上げて、自分好みにセッティングすることも可能だ。

サイバーナビには、比較的簡単に音響調整をする「シンプルコントロールモード」と、緻密な調整が可能な「マスターコントロールモード」がある。

今回はシンプルコントロールモードを使用したが、マスターコントロールモードであればイコライザーは31バンドで0・5dBステップで、かつフロント、リア、サブウーファーそれぞれを調整でき、タイムアライメントの距離もより細かな0・35センチ単位で設定できる。

と、ここまでで調整は終了。音響調整って聞き込めば聞き込むほど正解が分からないと言われるが、そんな風に音楽を聴いている時間もまた楽しい。いつも聴いている曲でも意外な音の発見ができる可能性もある。サイバーナビならではの楽しみ方だ。

調整前後の音を聞き比べてみたが、まるで別モノ。これは体験した人にしか分からないが、聞けば確実に違いが分かる。せっかくのサイバーナビを手に入れたとて、購入ショップによっては、取り付けのみで調整せず作業完了と引き渡される場合も多い。

断言できる。音響調整をしないのであればカーAVという部分においては宝の持ち腐れである。

タイムアライメント

スピーカー出力レベル

イコライザー

カットオフ

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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