9代目の新型は走ってみても快適だった! 新型アルトは、ミンナが嬉しい先進安全装備が充実です

7年振りに全面改良された【SUZUKI・アルト】は、柔らかで愛着ある表情にチェンジされていた!

1975年に47万円という価格破壊をもたらした初代スズキ・アルト。軽全体のシェア拡大に寄与し、現在まで続く庶民の足としての地位確立に寄与してきた。スズキはアルトを「ゲタ代わり」と表現する。7年ぶりに全面改良を受けた9代目の新型に対しても鈴木俊宏社長は、新車発表会でこうした喩えを使っていた。

乗り心地の良さと静粛性の高さに驚かされた


先代は、見る角度によっては尖った印象も受ける個性的な外観が特徴だったが、好き嫌いが分かれるという調査結果も出たそうで、新型は愛着が持てるデザインを採用。丸みを帯びたフロントグリルや楕円形のモチーフを随所に配置し、柔らかな雰囲気を醸し出している。一方のインテリアは、ベルトライン(サイドウインドウの下端)が低くなったこともあり、前方と左右の視界に優れ、4.4mという最小回転半径により、軽の中でも抜群といえる取り回しのしやすさを誇る。

また、シフトレバーやエアコンパネルをセンタークラスターに配置し、初めてでも操作に迷うことはない。さらに、ヘッドアップディスプレイ装着車なら視線移動も抑制できる。試乗車のインパネはオーディオレス仕様だったが、「HYBRID X」に全方位モニター付ディスプレイオーディオもしくは、USB端子が付く全方位モニター用カメラパッケージ装着車を設定し、スマホのナビ・アプリやバックカメラや全方位モニターの映像を表示できる。

パッケージングの進化も見逃せない。全高を50㎜高めることで、前後席ともに頭上空間を約40㎜拡大させた。これにより、頭上空間が少し狭いという先代の声に応えている。室内高も45㎜高くなり、室内幅も25㎜ワイドになったことで、4人乗車時の窮屈感もかなり解消された印象。フロントドアの開口高が20㎜高くなったことで、低い場所に潜り込むように乗り込む感覚も緩和され、乗降性が向上したのも朗報だ。

パワートレーンは、モーターアシスト付のマイルドハイブリッド車と回生エネルギーで発電と充電を行うエネチャージ仕様を設定した。前者はハイブリッドを求める声に応じたもので、後者は法人向けなどのニーズに対応する。トランスミッションは先代の5MT、シングルクラッチの5AGSがなくなりCVTに統一。今回試乗したのは、主力のマイルドハイブリッドで、27.7㎞/LのWLTCモードは軽トップ。

ガソリン高の今、燃料代を抑えたい人に朗報といえるだろう。マイルドハイブリッドの利点は、燃費だけではない。発進時からスムーズな加速を容易に引き出せるうえに、ワゴンRやハスラーでも定評あるR06D型はNAエンジンでも街中であれば実用上、遅くてもどかしさを覚えるシーンは少ない。さらに、710㎏という軽量級ボディ、モーターアシストもあって筆者には、加速レスポンスが少し過剰に感じられたほどだ。アクセルをそれほど踏み込まない人でも流れに容易に乗れるだろう。

さらに驚かされるのは、乗り心地の良さと静粛性の高さ。とくに前席は、路面を問わずフラットライドといえる乗り味を堪能できる。後席は荒れた路面では若干突き上げ感が残り、前席よりロードノイズは大きめだが、上出来といえる仕上がりだ。車体は先代からのアップデート版だが、入念な音・振動対策が施されていて、「ゲタ代わり」と表現するのは、スズキの謙遜だと断言したい。

先進安全装備では、エントリー軽ということでACCこそ未設定だが、衝突被害軽減ブレーキ、前後方向の誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能などを全車に標準化している。街乗り中心で、セカンドカーやフリートなどのニーズに応える新型アルト。真面目に作られた良品廉価な軽らしい1台だ。

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常時照明式で見やすい単眼メーター。

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エンジンスイッチは運転席右下に。

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運転席まわりのポケットやショッピングフックは便利だ。

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一部メーカーオプション装着車に設定のUSB電源ソケット。

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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