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欧米を中心とした海外の動きはどうなっている?
2021年から2022年にかけ、世の中が一気にEVシフトの様相を呈してきました。なかでも目立つのが欧州メーカーの動きです。さらにテスラはモデル3の販売が好調。自動車の世界で今、いったい何が起こっているのでしょうか? 様々な疑問を紐解いていきます。
Q1.ヨーロッパ・アメリカ・中国の政策は?
ずばり、最近やたらと話題となっているEVシフトの震源地はヨーロッパです。この影響が日本を直撃しているといえます。
欧州主要国は、イギリスを除いて欧州連合(EU)という共同体になっていることは、日本でも知られています。そのEUの執務を行う欧州委員会が打ち出している『欧州グリーンディール政策』が、EVシフトの火種になっています。
最新情報では、『2035年までにEU内で販売される乗用車の新車はすべて、EVまたは燃料電池車になること』というのが基本姿勢です。
つまりハイブリッドどころか、プラグインハイブリッドもヨーロッパでは売れなくなるというのですから、日本メーカーにとっては大きな痛手となります。
これまでもヨーロッパでは世界で最も厳しい燃費規制が敷かれてきており、日本メーカーの経営陣やエンジニアは「ヨーロッパ対応が最優先」と言い切っていましたが「まさか完全EVシフトとは!?」と驚きを隠せない様子です。
ヨーロッパメーカーでは、ボルボとジャガーランドローバーが2020年代から2030年にかけて完全EVメーカーになることを宣言をしていますし、メルセデスベンツも「市場環境を考慮して」という但し書きがありますが、2020年代末の時点で完全EV化を目指すことを明らかにしています。
一方、アメリカではバイデン大統領が2021年8月に「2030年までに乗用車とライトトラック(SUVとピックアップトラック)新車50%以上を電動車と燃料電池車とする」という大統領令を発令しています。
この電動車には、EVのほかにプラグインハイブリッドが含まれています。残り50%はハイブリッドはもちろん、ガソリンやディーゼルエンジンの販売も継続するのですから、ヨーロッパと比べるとかなり緩い規制に感じます。これは、アメリカ市場の現実を十分に考慮した結果だといえるでしょう。
また、中国については2010年代から国策として電動車普及を中国の主要都市で行ってきました。2019年からはEV、プラグインハイブリッド、燃料電池車による『新エネルギー車政策』を打ち出しています。これは、販売総数に対して新エネルギー車の販売割合を規定するものです。中国政府は市場動向を見ながら、購入補助金制度とのバランスを取り、政策の微調整を行っているところです。2035年に新車50%で新エネルギー車を目標に置いているようです。
このようにグローバルでは、ヨーロッパでのEVシフトが最も勢いが強く、その他の国や地域とはEVシフトに対するスタンスに違いがあります。
PROFILE
桃田健史
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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]