「最近異音がするようになった」などなど、ハイエースの足まわり、失敗しがちなポイントは?

あなたの足まわりは間違っているかも!? 初心者がやりがちなNG集【車高をアゲてもサゲても快適に! トヨタ・ハイエース・足まわり解体新書】

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話題のアウトドア系も正当派ローダウンも、足まわりをカスタムするのは変わらない。そこで、リフトアップ&ローダウンの実例から、初心者がやってしまいがちなNGセッティング、さらに注目のサスペンションパーツまでじっくり紹介していくぞ! ハイエースの足まわりは、これでカンペキ!!

ただパーツを付ければOKではない足まわりのセッティング。ここでは初心者はもちろん上級者でも思い込みがちだったり、勘違いしがちなケースをまとめてみた。ローダウン、リフトアップをするときの参考にしてみて欲しい。

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CASE 1.下げるためにリアのバンプを薄くする

車高を下げたり、フル積載でドカンと生じるリアの衝撃。原因はバンプタッチなのだが、硬くてハイトのあるノーマルを交換するならまだしも、ローダウン向けに薄く設計されたリアバンプを削ったり、レスとするのはNGだ。そもそもリアバンプはストローク時にタイヤやホーシングがボディと干渉しないように与えられているものなので、柔軟素材を使用したリアバンプをそのまま使ってタッチ時の衝撃を積極吸収しながらストッパー性能も発揮させていくのが最適解となる。

CASE 2.いつの間にか走行中にフェンダーが干渉するようになった

ローダウンブロックなどは耐久性に配慮された設計だと半永久的に使用できるが、ダンパーやバンプ類は走行距離や経年劣化で性能低下していく。とくにバンプ類は積極タッチさせていくようなセットアップだと変形したりして、本来のストローク制御が果たせなくなってしまうケースは多い。車検タイミングでチェックしておけば安心だ。

CASE 3.走りをよくするために足まわりを固める

ローダウンにしろ、リフトアップにしろ、ハンドリングのリニアさを求めて足まわりを硬める方向へ突き進むユーザーは多い。しかし、どのようなシーンをどのようなドライビングで走るのかは人それぞれ。コーナリング時のステア操作一つにしてもイッ気に切り込むのか、じわっと切り込むのかでベストなセットアップは変わってくる。どのようなシーンで物足りなさを感じるのかをノウハウ豊富なプロショップへ伝え、症状改善に効くアイテムを投入していこう。

CASE 4.車高を上げるなら、バンプ交換は必要ない

クリアランス減少でバンプタッチしやすいローダウンはバンプ交換による最適化が最重要と認識されているのに対し、クリアランス広がるリフトアップはバンプタッチしないためノーマルのままといったケースは多い。たしかに直進だけなら問題ないだろうが、実際はコーナリング時にロールが大きくなったりしているので、リフトアップでも車高変化に応じたクリアランスの最適化にバンプ交換が必要となる。

CASE 5.トーションバー調整しても思うようにフロントの車高が上がらない

ヷイルドスタイルを打ち出そうとリフトアップスタイルへ取り組むユーザーは増えているが、ノーマル車高が2WDと4WDで異なっているため2WDだと思うような車高まで上がりきらないケースがある。また、アンカーアームの調整ボルトをMAX状態まで締め込んでいっても車高が上がりきらないのは、個体差による調整幅不足だ。狙いの車高によっては調整幅確保のコマずらしも必要となってくる。

CASE 6.商用車だからゴツゴツした乗り心地は仕方ない

積載性能にウエイトを置いたLTタイヤは、たしかに 乗用タイヤよりも硬さを感じさせる。しかし、唯一地面と接しているタイヤは空気圧を見直すだけで乗り心地からハンドリングまで大きく変化していく。また、銘柄変更で乗り心地が改善できることだってあるのだ。

CASE 7.車高を変えたら走りが不安定になった

ノーマルの足まわり構造やアライメントは、当然ながらノーマル車高を想定して最適化されている。そのため、ローダウンにしてもリフトアップにしても車高を変化させればバランスが崩れていき、その影響で走りは不安定になってしまうのだ。とくに注意したいのは、一目でわかるバンプクリアランスなどと異なって気づきにくいジオメトリー変化。車高変化でスタビライザーが本来の性能を発揮できない状態へ陥っていたりするので、車高に応じた補正パーツを投入して対策していこう。

CASE 8.同じダウン量なのに自分のだけ乗り心地がよくない

積載量によってリア車高が簡単に変わるため、投入したローダウンブロックだけでダウン量は判断できない。常時フル積載しているユーザーなら2インチのブロックを使っていても実際は3インチオーバーのローダウンになっていたりして、リア車高を基準にフロント車高を少し前下がりとしたセットアップだとフロント4インチ弱落ちていることも。2インチだから不要と判断していた補正パーツが必要だったりすることもあるのだ。ベストな仕上がりを目指すなら、現車セッティングが最重要となる。

CASE 9.最近異音がするようになった

衝撃吸収性能に優れたバンプを利用して1G状態からバンプタッチさせるセットアップもあるが、フロントバンプへ荷重がかかって変形限界に達すると今度はロアアームブッシュへ負荷がかかっていく。そのため、積極的タッチさせる仕様も含めて、異音発生時はロアアームブッシュ劣化を真っ先に疑おう。

CASE10.バンプ交換しておけばダンパーは純正でOK

バンプ、リバンプ交換で伸びと縮みのストローク範囲を調整できることから1Gでバンプタッチさせるユーザーはダンパー交換を不要と考えがち。しかし、本来目指すべきは確保したストロークをいかにダンパーで有効制御するかだ。また、伸び側のストローク範囲を調整できないリアはダンパー交換するだけで伸び側が引き締まり、ブレーキング時の前のめり感は大きく軽減されるゾ。

純正の足まわりについておさらい
セダンやミニバンなどの乗用車と異なり、コイルスプリングが存在しないハイエース。フロントはトーションバー備えたダブルウィッシュボーン、リアはリーフスプリング備えた車軸懸架と、商用車特有の足まわり構造だ。なお、ローダウンはフロントがトーションバー調整、リアがローダウンブロックまたはリーフスプリング交換。2インチまでのリフトアップはフロントがトーションバー調整、リアがシャックルまたはリーフスプリング交換となる。

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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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