ブリッツの人気車高調キット「ダンパーZZ-R」は、乗り心地を最適化する
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今年で40年を迎える老舗チューニングメーカーにして、スポーツモデルばかりではなく、ミニバンから軽自動車まで国産車のすべてを網羅する勢いでチューニングパーツを開発するのがブリッツだ。
彼らはずっとデリカD:5にも注目してきた。アーバンギアのデモカーには、ダンパーZZ-Rという車高調や、パワコンにスロコンなどいかにもブリッツらしいパーツがごっそり装着される。
今回、特に興味を抱いたのはブリッツの看板商品であるダンパーZZ-Rだ。それまで敷居が高くマニアックな存在だった車高調を、車検対応させたストリート向けとして広く一般へ解放した。まさに彼らの活動を象徴する製品だ。
彼らのデモカーはアーバンギアをベースに60mmほどローダウンさせたうえで、エンケイ・オールエイトの20インチをマッチングさせている。ブリッツお得意の"サゲ系"は、スタイリッシュにまとまっていて、純正を凌ぐような上質な乗り味を実現させている。
しかしブリッツは、ジムニー、プラドに続く"アゲ系"への挑戦をD:5でも始めていた。全長調整式のモノチューブで、減衰力は32段階調整機能付き車高調キットという基本構造は同じ。そこからスプリングやダンパーの仕様を最適化することでリフトアップを狙う。
とはいえ、性能向上しなければ絶対に製品化しない彼らだからこそ、走りの性能にも注力する。むしろ重くて重心も高く、多人数乗車すれば重量変化も大きいミニバンにこそ車高調のセッティグ力が光ると考えている。
今回、試作中だった"アゲ系"ダンパーZZ-Rを連載車に装着した。車高は純正比で1インチ(2・54㎝)程度。これ見よがしのリフトアップではないが、重心やロールセンターなど走行性能に影響する部分と、そしてビジュアルとの両立を狙ったものだ。
このチョイアゲの感覚がイマドキっぽい。組み合わせるタイヤをオフ系にすれば、実際のインチアップ量以上に足もとの存在感が強調された。また、フェンダーとタイヤとのクリアランスが大きくなるので、フェンダーからチラリとレッドアルマイト仕上げのダンパーが見えるのもちょっと嬉しい。
なお、前回のレポートで17インチ化をお伝えしたものの、今回はD:5用オーバルホイールの基本系である16インチに戻ってセッティングに挑んでみた。まずは16インチ+BFグッドリッチオールテレーンT/A K02で減衰力を煮詰めていく。なお、ブリッツとしては最初に純正タイヤ&ホイールでの推奨減衰値を導き出すという。
個体ごとにカスタムされるタイヤ&ホイールや、乗り手の好み、走行フィールドによって減衰力を自在に変更するために、まずは座標軸の原点を把握しなければならないという考え方である。
その上でクルマの動きや重量配分、走行状況から最適な減衰力に自動調整してくれるフルオートモードを持つスペックDSCプラスも登場予定だ。ひとりで乗っている時と、フル乗車時では最適な減衰値は異なるし、高速や市街地、悪路でも違う。速度やGセンサー、GPS(オプション)などの情報から減衰力をリアルタイムで調整してくれたり、速度やGがある一定の値になると自動変更するモードが搭載されていたり。初心者が使いやすく、さらに上級者も満足させる奥の深い電子制御だ。かねてより電脳集団と言われてきたブリッツの真骨頂である。
ブリッツのファクトリーに並べられた2台のD:5。同じ車種とは思えないほど、アプローチによって世界観が違えるのにはあらためて驚かされた。これだからD:5は奥が深い。そしてその両方を満足させるブリッツ流足まわりの底力を感じた。
数多くの国産車を網羅するブリッツのダンパーZZ-R。単筒式(モノチューブ) 構造の、全長調整式車高調キット。減衰力32段階調整機能が付く。デリカD:5用はすでにローダウン用がリリースされ、現在、スプリングやダンパーの内部構造を見直したリフトアップ対応が進められている。
ローダウン仕様は60mmダウンに20インチ(エンケイ・オールエイト)。リフトアップは1インチ程度を想定したもの。連載車はその試作品を組んだ上でデルタフォース・オーバルの16インチに、245/70R16サイズのBFグッドリッチ・オールテレーンT/AKO2を投入。フェンダーとのクリアランスが拡がったことで、タイヤサイズの選択肢もより増えそうだ。
ブリッツの開発車両兼デモカーのアーバンギア。ローダウンでスポーティさを際立たせる”サゲ系”のお手本というべき1台。持ち前の開発力を活かし、今後はリフトアップ系のアプローチも拡充していく意向を持つ。現在、ジムニーやプラドなども徐々にアゲている。
D:5のサスペンションはフロントがストラット、リアはマルチリンク。限られたスペースで構築されながら受け持つ重量およびその変化量が大きいリアのセッティングは難しい。リフトアップしても高いオンロード走行性能をキープするための調整には余念がない。
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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]