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ハリアーはアーバンSUVの筆頭、だからシボはなくしたかった。
歴代ハリアーを手がけてきたエスプリだけに、もちろん現行型の80ハリアーも忘れていない。今回エアロパーツの開発に携わった荒浪さんは、実は80ハリアーをローダウンして乗っているオーナーでもある。だからクルマをあらゆる角度から見て、スタイリングで気になる部分を改善するべく、ユーザーの目線で開発を進めてきた。
「特に気になったのが、80ハリアーは下まわりが黒い樹脂仕上げとなっていて、その面積がかなり広い。とにかくその樹脂部分をなくしたかったんです」。
プレミアム感漂うSUVのハリアーに、安っぽい樹脂は似合わない。だからフロントハーフとサイドパネルは、被せタイプではなく純正の樹脂部品と付け替える手法を採用している。これで装着時の違和感を払拭。
「サイドパネルを交換式にしたのは他にも理由があり、被せタイプで立体感を出そうとするとどうしても外ガワにラインを作らないといけないので、取り付けた時にボコッと飛び出た感じになる。交換式なら落とし込むためのスペースに余裕ができ、造形の自由度も上がります」。
エアロパーツを開発するにあたり、「マスター」と呼ばれる製品を量産するための型を作らないといけないのだが、今回は専用の粘土で造形するクレイモデルでの設計。過去にもクレイで小物パーツを開発した経験もあるが、ボディキット全体をクレイで作るのは同社初の試み。
「クレイのメリットは、ラインを修正したい時はその場で盛ることができ、逆にすぐ削ることもできる。直線的なラインを引いたり、逆に内側に絞り込ませたり、凹凸を出すためにつまみ上げたり。立体感を追求する上で、細かい部分まで作り込めるのも大きなポイントです」。
試行錯誤を繰り返しながら完成までに約1年を費やしたが(通常は3ヶ月〜半年)、納得の行くデザインに仕上がった。
ユーザー目線でのアイデアとして、好みで選べるオプションを用意したのもこだわり。フロント&リアハーフ用のLEDパーツ、そしてリア用のカナードを設定することでカスタマイズの可能性をさらに広げた。
「自分も人と全く同じの仕様がイヤなタイプなので(笑)、オプションパーツの活用だけでなく、エアロの塗り分けでも個性を出して頂けると嬉しいですね」。
ハーフだけど奥行きのある、スポーティさを意識している。
エアロ自体も立体感を追求した作りとなっているが、特にリアは純正の樹脂部分を丸ごと隠せる、縦の面積を稼いだハーフタイプを採用。限界まで奥行きを取ったディフューザーは、塗り分けを想定してデザイン。
「ダーク系の色で塗装しておしまいではなく、例えばデモカーのようにディフューザーのフチをボディ同色にすることで、立体感がさらに際立ちます」。
装着したからには満足度が欲しい。だから「付けて良かった」と思える工夫が満載なのだ。
DESIGN GRAPHICS
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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]