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トヨタ、ホンダ+ソニー、マツダ、スズキなど国産勢は?
2022年はBEV元年と表現される、日本の自動車市場。日系メーカー各社が新型BEVを市場導入してきました。その筆頭は2021年末にBEV戦略の大幅見直しを公表したトヨタでしょう。まずは「bZ4X」を量産し、スバルがトヨタと共同開発した「ソルテラ」も合わせて登場しました。実際、2モデルを長距離走行で乗り比べましたが、それぞれ走りの個性があります。一方、BEV市場をけん引してきた日産は「アリア」のデリバリーが本格的に始まりました。ホンダについては、2022年4月にBEV戦略を発表し2030年までにグローバルでBEV30モデルの発売を確約。さらに、ソニーと協業して新種のBEVビジネスを追求します。その他、マツダは「MX-30 EV」の派生車としてロータリーエンジン搭載のレンジエクステンダーを導入予定です。軽では、日産と三菱が共同開発の「サクラ」と「eKクロスEV」が登場。ダイハツとスズキの電動車は、当面のところハイブリッド車を軸足として軽BEV市場参入を模索している状況です。
ボルボ、ジャガー、アウディは、なぜ早期にフルEVメーカーに転身?
まさか、これほど早いタイミングでBEV専用メーカーに転身する海外ブランドが次々と登場するとは…。そんな声が日本各地から聞こえてきます。最も早いのが、英国のジャガーで2025年にはBEV専業になります。次いで、ドイツのアウディは2026年以降の発売モデルはすべてBEVという方針です。また、スウェーデンのボルボは、2021年から本格的なBEVシフトを開始し、2030年には発売するすべてのクルマをBEVとします。ボルボジャパンの社長は「これが世界の流れであり、日本人はまだその影響に気づいていない」と表現します。これら3ブランドはどれも、プレミアムブランドであり、顧客層がある程度限定されています。また、先進性という文脈での商品イメージ展開がやりやすいとも言えるでしょう。販売台数としても、トヨタやVWのように多くないため、BEV化するならば一気にシフトするという経営戦略なのですが、販売店やユーザーは今後、こうした急激な変化をどう受け止めるのでしょうか。
旧車を楽しむには、EVコンバージョンが最良手段なのか?
ランボルギーニ「ミウラ」、「カウンタック」、ポルシェ「930ターボ」、フェラーリ「512BB」など往年のスーパーカーが最近、億円単位で取引されています。世界的なコレクターズバブルによる投資が背景にあります。また、アメリカで新車未発売だった日産GT-R(R32,R33,R34)を筆頭に80〜90年代の日本車の価格が急騰。アメリカでは新車製造から25年以上たったモデルは、一部に制限があるものの、州によっては右ハンドル車のまま輸入してアメリカの公道で走行可能という法律があるためです。さらに、日本国内でもネオクラシックカーブームで70〜90年代の中古価格が上がっています。そうした中、メインテナンスで気になるのがエンジンやトランスミッションです。そこで、一部では旧車をBEV化することで、実用性を上げるという考え方があります。とはいえ、旧車の魅力はエンジンにあると思う人は少なくないので、BEV化してまで旧車を維持しようする人の数は限定的なのかもしれません。
F1やスーパーGTなどもEVに完全移行する日が近いのか?
走る実験室」と呼ばれるなど、自動車技術を極める場として、古くから活用されてきたのがモータースポーツです。BEVについても、すでにさまざまなモータースポーツが始まっています。代表的なのは国際自動車連盟FIA公認の「フォーミュラE」。単座席のフォーミュラカーで、パワートレインは電動モーターを使います。また、二輪の世界でも2019年から「MotoE」が世界選手権として実施されているところです。ただし、こうした世界的なBEVモータースポーツの人気は、既存のF1やMotoGPと比べると観客動員数とテレビ視聴率のいずれについてもけっして高いと言える状況ではありません。ただし、F1やルマン24時間などの世界的耐久レースでも、世界の社会環境を考えると電動化は必須であるため、ハイブリッドの採用が広まっているところです。どこかのタイミングでBEV完全移行することは避けられないと思いますが、現時点での明確な時期を予想できる人は誰もいないのではないでしょうか。
著者PROFILE●桃田健史
1962年8月、東京生まれ。日米を拠点に、世界自動車産業をメインに取材執筆活動を行う。インディカー、NASCARなどレーシングドライバーとしての経歴を活かし、レース番組の解説及び海外モーターショーなどのテレビ解説も務める。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]