実走行で得た知識をフル活用! ワイルドなFJクルーザーとランドクルーザープラドは見た目だけじゃない、本格派オフローダーだった!

山岳地帯を激走! 超悪路を走るランクルプラドとFJクルーザーに密着したら、目から鱗のカスタムがわかった!

FJクルーザー&150プラド
FJクルーザー&150プラド
リフトアップ&37インチタイヤや、下周りのガード類、タイヤを固定するビードロックなど、いわゆるオフロードスタイルで完全武装されたFJクルーザーとランクルプラド。彼らの装備は見せるためのカスタムではなく、大きな岩がゴロゴロするような超悪路を実際に走破するために必要な装備&カスタムだった。ここではそんな超悪路走行に魅せられた2人の愛車を紹介しよう。

すべては超悪路を走るための機能優先から来る装備&カスタム

アウトドアのオフロード、しかもただの泥道ではない岩場を進んで行く「ロッククローリング」に魅せられた2人。通常ロッククローリングなどの超悪路走行には、昔のランクルやジムニーなどの前後リジッド式サスペンションが、タイヤの接地性などの面で有利とされているのだが、2人のクルマはフロント独立懸架(ダブルウィッシュボーン式)、リアはリジッド(ホーシングによる車軸式)という構造。独立懸架サスは、オンロードでの乗り心地には優れるが、岩がゴロゴロするような場所では、ヒットによるサスペンションやドライブシャフト破損の危険性、さらにサスペンションが独立して動くため、リジッドのように車体が水平でなく大きく傾くため、運転時の怖さもあるらしい。

そんな超悪路走行には不利ともいえる独立懸架サス車で、あえてロッククローリングに挑む。「カスタムの答えは山にある」をモットーに、実際に走行して足りない部分を見つけ出し、パーツを選ぶ。だが、自分たちの期待に応えるものが無いことも多く、その場合は自作するという徹底ぶり。そうして仕上げられたFJクルーザーとプラド。ヘビーデューティな見た目は、岩場を走るために必要な装備で仕上げられた機能美の塊なのだった。

独立懸架式サスの4WDでリジッドに負けない走りを目指す

もともとはドリ車などを作っていた新井さんだが、FJの「カリさんと一緒に山に行くようになって、独立懸架車で山を走れる仕様を作りたくなった」と語る。現在は自分のショップ「新井工房」で、プラド、FJ、ハイラックスなどトヨタの独立懸架4WD車をメインに手掛けている。このプラド、ボディはC4Cのラッピングで、モトレージ特注3インチアップサスとボディリフト1インチ。サスはTCF(トータル・カオス・ファブリケーション)のロングトラベルキットにキングのショック、37インチタイヤを装備。FJクルーザーと共に道なき道を攻められる仕様となっている。

SPECIFICATIONS
●MODELS:トヨタ・ランドクルーザープラド(平成31年)
●WHEEL:ソリッドレーシング i metal X(17×9.0J−20)
TIRE:BFグッドリッチ・マッドテレーンT/A KM3(37/12.5R17)
●SUSPENSION:TCロングトラベルキット、TCリアリンクキット、キングショック、フロント、OS技研スーパーロック4LSD
●EXTERIOR:nFabフロントバンパー、ロックスライダー、ARBフラットルーフラック、リアワンオフバンパー、フロアフルガード、オリジナルデフガード、ARBアンダービークルプロテクター、フルラッピング
●INTERIOR:レカロシート

カスタムしたら山で試す、その積み重ねの結晶がこれ

もともとはテレビで見たFJクルーザーがカッコ良くて「モテるかも…?」と購入。その後、山に行くようになり新井さんと共にロッククローリングにハマってしまったカリさん。「パーツがそれぞれ機能することが大切なので、山で使いやすいように加工してます。無いものは作ればいいので、溶接機も買いました」。「カスタムの答えは山にある」なので、山に行って足りない部分を確認し、戻って直したりパーツを作ったりし、また山に持っていくを繰り返す。その繰り返しを積み重ねた結果が今のFJクルーザーで「自分に合ったギアとして、しっかり仕事してくれる相棒」となっている。

SPECIFICATIONS
●MODELS:トヨタ・FJクルーザー(平成24年)
●WHEEL:ソリッドレーシング  turbine Z1(16×9.0J−27)
●TIRE:MAXXISトレパドール コンペティション(37/12.5R16)
●SUSPENSION:(フロント)TC2.0ロングトラベルキット、キングショック、スタビレス、デフダウン(リア)キングショック2バイパスパローマンス、ワンオフリンク、特注不等ピッチコイル、ラレラルダウン、TGSピロラテラルロッド、OS技研LSD2Way、ナイトロギアファイナル4.88
●EXTERIOR:モトレージバンパー短縮化、WARN EVOナイロンファクター55フック、ロックスライダーワンオフ、ワンオフスイングアーム、モトレージスキッドプレート、FJTOYMANリンクガード、IRCデフガード、バハラックスタンダードフラット延長化、C4Cルーフシェード、ワンオフパイプオーバーフェンダー、マックストラックスサイドラダー、USサイドミラー、TJMエアーテックシュノーケル、215SURF用ヘッド、C4Cフルラッピング
●INTERIOR:レカロシート、アウトバッグルーフコンソール

クルマの仕様も装備も山から学んだことばかり

山に行く場合、スタックや転倒など、もしもの場合を考えて2台以上で行くのが基本。カリさんと新井さんの場合は、クルマの仕様も走りのレベルも同じなので、ドンドン山の奥まで入って行くことも多いそう。山行きの装備で必須の3アイテムは、ウインチ、チェンソー、無線。ウインチは岩場や悪路で動けなくなった場合に、脱出するためのアイテム。慣れたこの2人でも、乗る岩を間違えれば前に進めなくなり、ウインチを使って脱出する場面もあるという。チェンソーは、林道を走ったりする場合に、道を塞いでいる倒木をカットして進路を確保するために必要。無線は、山中では携帯が圏外で使えないことも多いため、連絡を取り合うために使用している。 それらのアイテムも山に行って、色々な体験をして揃えたもの。ロッククローリングは、走行スピードは遅いが、どの岩にタイヤを乗せて…とか、あの岩のサイドを使って…とか、見て、考えて、さらに駆動力の掛け方を考えながら走るため、神経と集中力を使いお腹がへる。走行後はコンロでお湯を沸かしてのカップラーメンが2人の最高のお楽しみでもある。

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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