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巻頭特集「よくわかるモーター」を40ページ超のボリュームで掲載
慣れ親しんだ内燃機関であるエンジンと違って、電気モーターにはまだまだ苦手意識を持たれる方が多いのも事実。古くから存在する原動機である電気モーターの機構はシンプルではありますが、見えない“電気”と“磁界”によって動くことがその理由かもしれません。今回の巻頭特集では、自動車の駆動に使われるモーターのメリットや苦手な領域、さらに各社の最新事例を例に挙げ、どのような開発が進められたのかを解説します。
エンジンが存在しないBEVで駆動力はどのようにコントロールする?
まず、電気モーターがクルマを動かす場合の状況を内燃機関を持つクルマと対比して解説していきます。アクセル操作に対応して電気モーターにはどのような制御が行なわれ、駆動力を発生させていくのか。また電気モーターの出力特性の特徴、苦手な領域などを速度や走行条件などを例に挙げながら分かりやすく分析していき、あとに続くページを理解する際の前提となる知識を列挙しました。さらに[CHAPTER 1 基礎技術編]として電気モーターはどのように作動するのか、そしてどのように進化してきたかを掲載。定点運転ではなく、さまざまな負荷のもとで回転数を変動させながら使われる自動車の駆動用モーターの直面している課題がわかるはずです。
研究者がやさしく説明する“モーターに何が起こっているのか”
前項までの誌面で電動車のモーターのふるまいと基礎技術がある程度は理解できた後に、「じゃあ現在の電動車のモーターはどうなっている?」というさまざまな疑問が生まれてくるのは当然でしょう。そこでこのパートではモーター研究のスペシャリストというだけではなく、ソーラーカーレース参戦や自動車にまつわる現状にも理解が深く、弊誌で何度もお世話になっている東海大学の木村英樹教授、佐川耕平講師、大口英樹准教授に、編集部がまとめた数多くの疑問に回答をいただきました。
自動車メーカー各社の最新事例で見るハード/ソフト両面の開発
トヨタMIRAI、ホンダe:HEV/BEV、日産リーフ/e-POWER、三菱アウトランダーPHEVそれぞれに使われている電気モーターの特徴や、開発目標とした運動性能を実現するための制御、課題に対する解決手段など、実際に市販されているモデルに使われている実例をエンジニアの方々に解説していただきました。量産品として実現するための生産の工夫や品質の安定化など、生産分野に関する事例も取り上げています。
独自の特徴を備えた海外/国産各社のモーターの実例
電動化を推進する欧州勢を筆頭に、北米、そして国産メーカーの駆動用モーターの内部構造や外観、車両レイアウトなどをカタログ形式でまとめました。前輪駆動か後輪駆動か、それとも4WDが主流となるのか、各社の設計思想とその車両に最適化されたモーターの姿をうかがい知ることができると思います。
[モーターファン・イラストレーテッドvol.184]
【よくわかるモーター】
CONTENTS
Introduction 電気モーターは何をしているのか
ドライバーの「右足」から「地面」までのふるまい
Chapter1【基礎技術】自動車駆動用モーターとはどのような機械なのか
・BASIC Q&A
・東海大学・モーター研究のスペシャリストに駆動用モーターの疑問をあらためて訊いてみる
Chapter2【アプリケーション】
・CASE 1 トヨタMIRAI
HEVでの実績を移植したFCEVのモーター
・CASE 2 ホンダ Honda e/e:HEV
ハードとソフトの両輪で静粛性と効率の向上を図る
・CASE 3 日産リーフ/ノート
クルマに合わせたモーター性能へ:日産が追いかけた「0.01%×30年」
・CASE 4 三菱アウトランダーPHEV
前後にモーターが要る理由
Chapter3【モーターカタログ】
同じハードでも制御で出力は変わるが、 車両に最適化させたタイプが増加
エピローグ
そのタフネスは充分か
連載 大学研究室探訪#2:
神奈川工科大学創造工学部 自動車システム開発工学科(神奈川県厚木キャンパス)
自動車業界で働く2022
発売日:2022年1月15日(土)
定価1760円 (本体価格1600円)
ISBN:978-4-7796-4549-5
※全国の書店、 コンビニエンスストア、 ネット書店にてお求めいただけます。