独自のパワーエレクトロニクス技術を磨き、従来品と比較して出力電流を100Aから150Aへと1.5倍に引き上げるとともに、34%の小型化を実現した。
DC-DCコンバーターは、直流電圧を機器に応じた適切な電圧に変換する電源装置であり、ハイブリッド車など電動車用の高電圧バッテリー(200V~400V)から、12Vの低電圧に変換して、補機バッテリーや制御ECU、ナビゲーションシステム、ライトなどに電力を供給する。
近年、自動車の電子化と電動化の進展に伴い車内で使用される電力が増加しており、また先進運転支援システムの普及によって、センサーやカメラなど情報通信のための電装品も増えている。こうした自動車の消費電力の増加に対応するため、DC-DCコンバーターの大電流化による出力電力の増加が求められている。
今回開発したDC-DCコンバーターは、パワーエレクトロニクス分野における豊田自動織機のコア技術である厚銅基板*技術と、大電流化に伴い増加するノイズを回路や構造設計の最適化によって抑える低ノイズ技術を発展させることで、大電流化と小型化の両立を実現した。
また、車両起動時に発生する過電流からハイブリッドシステムの回路を保護するためのプリチャージ機能をDC-DCコンバーター内に追加した。
* 銅箔が厚いことから抵抗が少なく、また、高い放熱性を備えるため大電流を流すのに適した基板。大電流基板とも呼ばれる。