自動車産業はじめ、ものづくり現場の切削や穴開け加工では、マシニングセンタという工作機械が広く使われている。従来は、加工後の部品に残った切屑は、高圧洗浄機に運んで除去する他、手作業で取り除く必要があった。今回開発した Boost Master をマシニングセンタ機内に取り付けることで、加工から洗浄までをマシニングセンタ 1 台に集約でき、工程改善による生産性向上や、大幅な省エネによるカーボンニュートラル実現への貢献が期待できる。
エヌティーツールは、主に自動車部品加工メーカーに数多くの納入実績を持つ工作機械用ツーリングのリーディングカンパニー。Boost Master の製造、販売、保守サービスは同社が担い、初年度1000 台の販売を目指す。
アドヴィックスは、世界トップレベルのブレーキシステムサプライヤーで、Boost Master の洗浄液噴射機構部には、同社が生産する高性能ギヤポンプを搭載している。このギヤポンプは、高い精度が求められる自動車用 ESC（横滑り防止装置）モジュレータの構成部品として生産してきた技術を生かし、小型、高出力、低振動、高い信頼性といった特長を有している。
エヌティーツールとアドヴィックスは、より大型のマシニングセンタに対応する Boost Masterの次世代モデルの開発にも取り組んでおり、引き続き、ものづくり現場にイノベーションを起こし、より効率的な生産ラインの実現に貢献していく。
Boost Masterの特長
①切屑を狙い撃ち除去
φ7 深さ100 ㎜穴底の切屑を0.5 秒で除去
②工程集約、作業改善による生産性向上を実現
高圧洗浄機レス化、遊休マシニングセンタの活用
③洗浄工程の使用電力を大幅に低減
製造現場のカーボンニュートラル実現に貢献
機外高圧ポンプ、冷却装置不要
④設備の稼働向上
切屑に起因する故障による停止ロス低減、
刃具同等の段取り性能
