【モーターファン・イラストレーテッド Vol.136より転載】
サイクロイド減速機は電動式VVTなどの小さなスペースにおいて大トルク制御を実現するために、近年広く用いられている減速機構。自動車分野だけでなく、ロボットなどの大トルクが必要とされるアクチュエーターなどにも幅広く採用されている。変わったところではインホイールモーターのリダクション機構に用いられた例もある。
こうした一段で大減速が可能でゼロバックラッシュという機械要素は電動制御分野で需要が高まっており、例えば日産の可変圧縮比エンジンのクランク部を支えるリンク機構の制御には、やはり大減速とゼロバックラッシュという特徴を持つ波動歯車装置が採用されている。
この技術は可変圧縮比の実現には極めて重要で、これなしに実現は難しかったと思われる。ホンダの人型ロボット・アシモも同様で、やはりこれも波動歯車装置の塊といってよいほどに同技術が多用されている。