ams OSRAM:Vegalas RGB表面実装レーザーモジュールの試作デザインを発表

拡張現実眼鏡を使用すれば、ユーザーの周囲環境から便利な情報が視野に直接投影される。
ams OSRAMは、新たなVegalas RGBレーザーエミッタモジュールの試作デザインを発表する。

Vegalasは、拡張現実(AR)と複合現実(MR)用スマートグラスのプロジェクションライトエンジンのサイズを、従来の最大約半分まで小型化することを可能にする。光学コンポーネントの技術におけるams OSRAMのイノベーションは、従来の大きなエンジンサイズにより外観面での妥協が必要であったスマートグラスのデザインを、リッチな情報ガジェットとしての性能を持たせつつ、通常のサングラスや眼鏡と同様なスタイリッシュでファッショナブルなものとすることを可能にする。

ams OSRAMが提供するVegalas試作品は、スマートグラスのプロジェクションユニットのサイズを大きく削減できる。

今日のARまたはMRスマートグラス市場は、主に特別な業界や業務用途に限定されている。これは、大きなプロジェクションライトエンジンやバッテリーなどの部品が重くかさばり、太いフレームで支える必要があるため、日常使いできるものではないから。コンシューマー市場にも適した軽くスタイリッシュなスマートグラスが誕生すれば、それはスマートフォンからの置き換えをも可能とし、新世代を担うモバイルコンピューティング用デバイスとして爆発的に拡大をしていく。
そういった製品を現実的に作り上げることができるかは、ディスプレイの画質や輝度を落とさずに、いかにサイズと重量を削っていくことが実現可能かにかかっているといっても過言ではない。

今回、ams OSRAMがVegalasモジュールの試作デザインを発表したことで、スマートグラスのプロジェクションライトエンジンを最小0.7立方センチメートルまで小型化できることが実証された。これは、市販の眼鏡フレームにも収まるサイズである。

ams OSRAMのビジュアライゼーション&レーザー事業部のマーケティングディレクターを務める、Martin Wittmann氏はこう述べる。
「Vegalasモジュールの光学的、また物理的サイズへのイノベーションは、スマートグラス市場の成長を劇的に加速させるはずです。これまで、スマートフォンの分野においてのams OSRAMの光学技術は、顔認証、カメラ機能の強化、またベゼルレスディスプレイなど、市場を一変させる新しい機能の実現に不可欠な役割を果たしてきました。今回、ams OSRAMは新たにVegalasを市場に投入することで、モバイルコンピューティングの新たな革命の中心となり、スマートグラスをコンシューマー市場へ広く普及させます」

小型レーザーモジュール設計でのブレークスルー

ams OSRAMが提供する、Vegalasモジュールの設計では、赤色(640 nm)/緑色(520 nm)/青色(450 nm)の波長を持つ3つの強力なレーザーを、堅牢な表面実装パッケージに搭載している。このパッケージは、サブマウントに実装されたそれぞれのレーザー素子が汚れや劣化に晒されぬよう、気密封止されている。モジュールの実装面積は7.0 mm x 4.6 mm、高さは1.2 mm。Vegalasモジュールの量産は、2023年前半に開始される予定。既に、数量限定でサンプルの注文を受け付けている。

また、ams OSRAMは、LaSAR Alliance(lasaralliance.org)のパートナー企業と提携し、レーザービームスキャンニング(LBS)プロジェクションライトエンジンのリファレンスデザインに、このVegalasを提供。STMicroelectronics社のMEMSミラーや、Dispelix社のウェーブガイドも、そのリファレンスデザインを構成している主要部品となっている。10 mm x 11 mm x 0.6 mm(0.7 立方センチメートル)のサイズに収まる最新のLBSプロジェクションライトエンジンは、従来のams OSRAM TO38レーザーエミッタ3個が使われたライトエンジン(1.7 立方センチメートル)と比較して、約60%も小型化されている。

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