ホンダのユニークな気筒休止システム[VCM]V6なのに4気筒運転?[内燃機関超基礎講座]

V6エンジンで、片バンク休止による3気筒運転はそれまでも試みられてきたが、ホンダは2気筒休止/4気筒運転を実現した。ユニークな機構はどのようにして実現したのか。
TEXT:松田勇治(MATSUDA Yuji)

2007年末発表の新型インスパイアで採用されたVCM(バリアブル・シリンダー・マネージメント)。V型6気筒の片バンクを完全休止させる従来のシステムを発展させ、片バンク2気筒ずつの4気筒による走行モードを実現した。気筒休止にはVTECを利用する。

ロッカーアームは2分割構造となっており、片側がカムから押され、もう片側がバルブを駆動する。通常は内蔵する連結用ピンによって一体化して作動している。気筒休止時には油圧でピン位置を移動し、ロッカーアームを分割。カムから押される動きをバルブ駆動側に伝えず、気筒を休止させる。油圧経路の新機軸によって実現した。

燃焼時/気筒休止時のVTECの構造
それまでのVCMは6気筒/3気筒切替だったが、4気筒モードを加えるために油圧系統を新設。リヤバンクは3気筒運転時に全休止することから、4つの油圧系統を持つことになった。
 4気筒モードでは不等間隔燃焼となるため、振動対策としてアクティブエンジンマウントを開発した。電子制御式スロットル、トルクコンバータのロックアップ機構とも協調制御している。

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