Cepton社は、LiDAR市場を牽引し続けるリーディングカンパニーで、この度デトロイトを拠点とする世界的な自動車メーカーから、ADAS用にLiDARシリーズ製品の大規模生産契約を獲得した。
LiDARとは、「Light Detection and Ranging(光による検知と測距)」の略称で、出射された赤外線レーザービームが物体に当り、反射して戻ってくるまでの時間を計算することで、その対象物までの距離を測定するセンサー技術のこと。この技術は、車両周囲の3Dマップをリアルタイムで作成するもので、車両を安全に目的地まで誘導することを強力に支援する。その光源となる人の目に見えない赤外線照明は、車両が周辺環境を「見る」ことを可能にする、あらゆるLiDARシステムにおいて最も重要なパーツであると言える。ams OSRAMは、今日のLiDARシステムの多くに搭載されている赤外線レーザーエミッターにおいて、強力な製品ポートフォリオで市場を牽引する。
Cepton社が獲得した世界トップ5の自動車メーカーとの生産契約は、その規模感からLiDAR業界にとっては重要な一つの到達点になると位置付けられている。これにより、Cepton社は2023年までに、高級車だけではない様々な車種のADAS機能にLiDARソリューションを提供する、世界で初めての企業になると期待されている。その画期的なLiDARソリューションに、ams OSRAMの905nm 端面発光レーザーが採用されている。
Cepton社のCEO兼共同創立者のJun Pei博士は「ams OSRAMの小型で高性能、かつ自動車信頼性基準を満たす端面発光レーザーが、魅力的なLiDAR製品の量産モデルを開発するための絶好の機会をもたらしてくれました。ams OSRAMの先端技術がもたらす、アイセーフティを確保するための駆動を可能とする905nmのレーザー光源と、当社独自のMMT(Micro Motion Technology)による画像処理プラットフォームは、パフォーマンス ・ コスト ・ 信頼性のバランスが良いため、日常使い用の大衆車であっても、LiDARの機能を持たせることが可能になってくるだろう」と語っている。
ams OSRAMは、10年以上にわたりこの市場をリードし続けており、現在、端面発光レーザー(EEL)と垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)の両方をLiDARの市場にリリースしている。また、市場に先駆けて、いち早く905nmの端面発光レーザーをリリースしたのもams OSRAMである。現在では、コスト面と信頼性に優れた905nmのレーザー波長が、LiDARソリューションにおいて最も広く使われている波長となっている。ams OSRAMは、905nmレーザーをより高効率で、またシステムに組み込みやすいものにするために、積極的な投資を継続的に行っている。
ams OSRAMのビジュアライゼーション & レーザー事業部 シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのJoerg Straussは次のように述べています。「当社の905nm端面発光レーザーは、雨や雪、また霧などのあらゆる気象条件下において自律走行車が必要とする長距離の測定を実現するための、最も有効なレーザー光源の1つです。Cepton社との長期にわたる関係を継続することで、同社の量産型モデルで幅広い車種への展開が可能な、自動車信頼性基準に準拠するLiDARセンサーに、当社のレーザー技術を提供できることを大変喜ばしく思っています。また、Cepton社のエンドツーエンドLiDARソリューションは、交通事故の削減とADAS機能の実現により、私たちの道路環境をより安全なものにしていきます。両社は共に力を合わせ、自動運転の分野において自動車の世界が新時代を切り拓いていくことに貢献していきます」
Cepton社は、優れた性能と電力効率を兼ね備えたams OSRAMの最先端レーザーダイオードを使用しています。コンパクトながら、エピタキシャル成長させたエミッターを3層積層したマルチジャンクションレーザーで、125℃までの高温状態でも駆動させることが可能です。