堀場製作所:ホリバMIRA社の開発エンジニアリング総合施設「ASSURED CAV」が本格稼働

バーチャル環境でのシミュレーション
ホリバMIRA社は、開発エンジニアリング総合施設「ASSURED CAV」において、複雑かつ高度化するコネクテッド・自動運転車(CAV)、先進運転支援システム(ADAS)の開発を支援している。

自動運転車(完全自律走行車)の実現に向けた開発が加速するなか、安全な走行を担保するため、より高精度なシミュレーションが求められている。ホリバMIRA社は、英国が推進するMidlands Future Mobility(MFM)※1)プロジェクトのもと、複雑な条件下におけるCAVやADASのシミュレーションシナリオの再現性と精度向上のため、実路走行とバーチャル走行の両方と相関するソフトウェア、モバイルファサード(可撤型疑似建築物)などの拡張機能の設計・開発を進め、効率的で高精度なエンジニアリングソリューションの強化に努めてきた。

※1)Midlands Future Mobility(MFM)は、コネクテッド・自動運転車(CAV)の開発を促進するZenzic(英国政府と業界によって2017年9月に設立)が主導するCAM(Connected and Automated Mobility)Testbed UKの一環として、英国政府等から資金提供を受けているプロジェクト。 MFMは、ウォーリック大学のWMG、HORIBA MIRA、AVL、Transport for West Midlands、Vodafone、Costain、Amey Consulting、Wireless Infrastructure Group、Immense、Coventry University、National Highways などで組織されるコンソーシアムによって支えられている。MFMはウェストミッドランドの公道200マイル以上にわたりCCTV、気象観測所、通信ユニット、および高精度のGPSカバレッジを含むインフラストラクチャを設置しており、CAM技術の包括的な開発環境を効率的に提供するエコシステムである。

ホリバMIRA社の開発エンジニアリング総合施設「ASSURED CAV」では、英国ミッドランド地域の約200マイルに及ぶ公道(高速道路含む)を、自動運転車両の試験走行路として使用する。その利点を活かし、高速道路を含む実路とバーチャル環境において、CAVやADASの性能向上に必要なセンサー技術(LiDAR、レーダー、カメラなど)との連携に関して検証を重ねた。それぞれの環境において、死角エリアや交差点、急な方向転換車両など危険で複雑な条件のシミュレーションシナリオが正確に機能することが確認でき、これまで以上に高精度なシミュレーションシナリオとエンジニアリングサービスを提供できる体制を整えた。

ASSURED CAVは世界有数のユニークな自動運転車専用のテスト施設として、一般道で起こり得る多様なシナリオを再現するだけでなく、積極的にシミュレーションシナリオを開発することで、想定すべき状況を再現良く検証できるエンジニアリングサービスを顧客に提供する。さらに本施設は複雑なシミュレーション試験を1か所で行えるため、開発にかかるコストと時間の削減にも貢献する。

ASSURED HIGHWAY
モバイルファサードを利用した実路環境の再現  
公道を使った走行試験

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