UACJ：アルミ板材が新型トヨタ・ランドクルーザーのボディパネルに採用

　各国の環境規制が増す中で、世界の自動車メーカーは燃費向上や航続距離改善を目的とした車体の軽量化を積極的に推進している。車体の軽量化を実現する手段として、比強度の高いアルミニウム材をパネル材や構造材に採用する動きが活発化しており、日本国内においても、需要拡大が加速している。UACJは、2020年に福井製造所の自動車パネル用アルミニウム材製造設備の稼働を開始し、日本国内でのアルミニウムボデーパネル材の供給体制を強化した。

　1951年に発売開始し、14年ぶりのフルモデルチェンジとなった新型「ランドクルーザー」においては、フード、フェンダー、ドア、バックドア、ルーフなどのパネル部品に福井製造所で製造されるアルミ板材が採用され、車体の軽量化に貢献している。

クローズドループ・リサイクルの適用について

　クローズドループ・リサイクルとは、製造時に発生した端材や、回収した使用済みの自社製品などを再生することで、品質を維持しながら繰り返し再生することができるリサイクルの仕組みである。

　アルミニウム製造工程におけるCO₂発生量の約90%は、アルミニウムの新地金精錬工程によって発生する。また、プレス端材を再利用する際のCO₂発生量は、新地金精錬工程でのCO₂発生量と比較して大幅に減少する。今回適用されたクローズドループ・リサイクルでは、車両製造時に発生するスクラップの全量をUACJが引き取り再利用することで、アルミニウム新地金使用量が削減される。このリサイクルプロセスの実現により、CO₂の発生を抑制することができる。

　UACJはアルミニウム総合メーカーとして、板、自動車部品、押出、箔、鋳鍛、金属加工の6つの事業を持つ。これらの技術力・ノウハウを駆使し、幅広い自動車向けアルミニウム材を開発・生産し、自動車軽量化のソリューション・プロバイダーとして、自動車の環境性能向上に貢献していく。また、リサイクル率の向上を図り、サプライチェーン全体での環境負荷軽減に取り組んでいく。

キーワードで検索する