2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギーの主力電源化が求められている。安定した電力の供給には発電量と需要量とのバランスを常に保つ必要があるが、国内での導入割合の高い太陽光発電などの再生可能エネルギーは発電量が季節や天候に左右されやすいため、家庭用蓄電池をはじめとする分散型電源の制御による需給の調整が重要になる。また昨今、エネルギー価格の高騰が深刻化しており、電源保有割合の少ない小売電気事業者において、蓄電池などの分散電源を用いたエネルギーマネジメントのニーズがますます高まっている。 地域新電力会社であり、能勢・豊能エリアでのエネルギーを軸とした地域課題解決に取り組んでいる能勢・豊能まちづくりと蓄電池製造・販売会社であるOSSは蓄電池を活用したエネルギーマネジメントの実証実験に共同で取り組むことに合意した。
実証実験は、能勢町役場に設置した太陽光発電設備の出力は26.39kW、蓄電池容量は16.4kWhを活用する。本設備は能勢・豊能まちづくりが2022年1月にPPAモデル(第三者所有モデル)として能勢町庁舎に導入した設備である。災害時のための蓄電量を確保しつつ、太陽光発電によって発電した電力のうち庁舎内で消費しきれない電力を蓄え、夜間等にも活用できるように運用するなど柔軟な制御を行うためのシステムの有効性を検証することを目指す。
能勢・豊能まちづくりは、公共施設に限らず、実証に協力する事業者や家庭とともに実証実験の対象範囲を広げ、地域内で発電された電力を可能な限り地域内で有効に活用するシステムへと発展させることによって、系統にも負担の少ない地域再生可能エネルギーシステムの構築を目指す。