IHI:インドネシアの火力発電所において, アンモニア混焼および専焼に向けた技術の検討を開始

IHIは4月25日、インドネシア国営電力会社PLNの100%子会社であるPT Pembangkitan Jawa-Bali(PJB)と共同で、アンモニアやバイオマス混焼技術の適用、将来的な専焼技術の適用および係る経済性の検証を行なうMoU(基本合意書)を、経済産業省主催による「アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合(AGGPM)官民フォーラム」において調印する。そして、PJB所有の Gresik(グレシック)火力発電所などの既設ボイラを対象として、アンモニアなどのカーボンニュートラル燃料の混焼、将来的な専焼の実施を想定した各種技術検討等が行われる。

インドネシア政府およびPLN、PJBは、2060 年までに温室効果ガス排出量ゼロを目指し、火力発電所におけるカーボンニュートラル燃料の利活用を検討している。これに則り、PLN、PJBおよびIHIは、火力発電所における具体的手段として、特に燃焼時にCO₂を排出しないアンモニアや、再生可能エネルギーとしてインドネシアで利活用が期待されているバイオマスなど、火力発電所で活用していくための混焼、さらには専焼技術について協議を重ねてきた。このたび、具体的かつ迅速に検討を進めていくべく、当該発電所などを想定した具体的な検討に入ることに合意に至った。

この取り組みは、2021年5月24日に日本国政府および経済産業省により発表された「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)」の方向性に合致すると考えられている。IHIは、今回の取り組みを通じて世界全体、ASEAN諸国でのカーボンニュートラル実現に向けた具体的な方法を示し、持続可能なエネルギートランジションを推進する。また、カーボンニュートラル燃料の多様な利用モデルを示すことで、燃料アンモニアを含めたカーボンニュートラル燃料の社会実装の早期実現と、質の高いインフラ提供によるグローバルな環境負荷の低減に貢献する。

Gresik火力発電所

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