愛知製鋼:米国子会社にて鍛造部品の新生産ライン竣工

新生産ライン全景
愛知製鋼の米国子会社であるアイチフォージユーエスエイ(以下「AFU」)は、今般、鍛造部品であるコネクティングロッド※1の新生産ラインを竣工し、稼働を開始した。

AFUは、トヨタグループ唯一の北米鍛造拠点であり、TNGA※2戦略における北米での「地産地消」化を積極的に進めています。現在、北米では燃費改善につながるエンジンのダウンサイジング化や、HEV、PHEVの拡大により、高品質な鍛造コネクティングロッドの需要は高く、トヨタグループで培った高い鍛造技術と品質保証・安定供給体制を現地展開することが不可欠である。新生産ラインは、トヨタ自動車のグローバル標準ラインを更に充実させ、高強度・高精度を実現する鍛造技術、品質保証体制を実現している。また、国際情勢の変化による供給リスクにも柔軟に対応できるようになり、トヨタグループ全体の相互補完による安定供給体制を実現します。

また、生産するコネクティングロッドは、トヨタ自動車の北米拠点(ケンタッキー、ウェストヴァージニア)に供給され、カムリ、ハイランダー、RAV4、レクサスESなどに搭載される予定で、年間1,700万米ドル程度の売上(AFU売上高の約2割)が見込まれている。今後も、顧客の現地調達に確実に対応し、グローバルでの競争力向上および安定供給体制構築に貢献することで、顧客に多様な選択肢をご提供する、トヨタグループの鍛造リーダーを目指していく。

※1 エンジンが起こす上下方向の力(運動エネルギー)を、クランクシャフトへ回転運動に変換して伝える部品であり、軽量さと頑丈さが求められる。

※2 「Toyota New Global Architecture(TNGA)のこと。企画・調達・生産までを一貫して連携する、グローバルなクルマづくりの構造改革。

■本設備の概要
(1)設備名称: コネクティングロッド新生産ライン
(2)設置場所: アイチフォージ ユーエスエイ 工場内
(3)設備構成: 高周波加熱炉、成形プレス、ショットピーニング機、磁気探傷装置等
(4)生産能力: 360万個/年(約2,500トン/年)
(5)投 資 額: 2,175万米ドル

■AFUの概要(2022年3月末現在)
(1)会社名: アイチフォージ ユーエスエイ
(2)住所: アメリカ合衆国ケンタッキー州ジョージタウン市
(3)売上高: 1億米ドル/年
(4)生産量: 2万8千トン/年
(5)生産品目: クランクシャフト、コネクティングロッド、
ステアリングナックル、デファレンシャルリングギヤ他
(6)従業員数:285名

竣工セレモニーの様子

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