世界初!帝人が環境に配慮した接着剤とリサイクルポリエステルを用いたタイヤコードを開発

今次開発されたタイヤコード
帝人フロンティアは、人体や環境に影響をおよぼす可能性があるとされるレゾルシン・ホルムアルデヒド(RF)を含まない接着剤を用い、かつ、ゴム補強繊維にケミカルリサイクルポリエステル繊維を使用した環境配慮型のタイヤコードを開発したことを発表した。

RFフリーの接着剤とケミカルリサイクルポリエステル繊維を組み合わせたタイヤコードの製品化は世界初となる。帝人フロンティアは、環境活動指針として「THINK ECO」を掲げ、衣料から産業資材まで幅広い用途で地球環境に優しい活動を実践している。今般、開発されたタイヤコードは、この指針に沿って開発されたものであり、今後も、さまざまな環境負荷低減に貢献するソリューションが帝人フロンティアより提供される。

1. 背景

近年の環境や安全に対する意識の高まりから、自動車を構成する重要な部品であるタイヤについても環境に配慮した素材使用のニーズが高まっていた。こうした中、帝人フロンティアは、2008年に当時としては世界初となるケミカルリサイクルポリエステル繊維を使用したタイヤコードを、2020年3月にはRFを使用しない環境配慮型のゴム補強繊維用の接着剤を開発するなど、タイヤをはじめとするゴム製品用途において、環境配慮型素材・製品の開発を進めてした。

今般、帝人フロンティアの有するこれらの技術が融合されたことで、RFフリーの接着剤とケミカルリサイクルポリエステル繊維を組み合わせたタイヤコードが世界で初めて製品化され、タイヤの製造プロセスにおけるさらなる環境負荷低減が実現された。

2. 今次開発のタイヤコードについて

接着剤にRFの代替として高分子化合物を使用することで、接着加工プロセスにおいて環境負荷低減に貢献する。また、繊維およびゴムとの親和性が良好であることから、従来のレゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス(RFL)接着剤と同等の接着性能を実現している。

タイヤコードに使用するケミカルリサイクル繊維は、強度や耐疲労性、寸法安定性および耐熱性などが維持できるケミカルリサイクル法によるポリマーを原料にしており、石油由来のポリエステル繊維タイヤコードと比較して、製造時のCO₂排出量を抑えながらも、同等の品質・性能が実現されている。

3. 今後の展開

帝人フロンティアは、タイヤコードをはじめ、ベルト、ホースなどのゴム製品の補強繊維として幅広く展開を図る。2023年から、このタイヤコードの試験生産を開始し、2030年には20万トン/年の生産量が目指される。

今般、開発されたタイヤコードは、9月13日~15日にアメリカ オハイオ州アクロンで開催される北米最大級のタイヤ関連展示会および協議会である「International Tire Exhibition and Conference」に出展される。

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