パナソニックエナジーが車載用リチウムイオン電池の負極材料調達についてカナダNMG社とオフテイク契約に関する覚書を締結

パナソニック エナジーは、電気自動車(EV)用リチウムイオン電池の負極材料である黒鉛について、北米でのサプライチェーン確立を目的に、カナダの黒鉛製造企業である Nouveau Monde Graphite Inc. (以下 NMG)と、今般、オフテイク契約(長期供給契約)に関する覚書を締結した。NMG の転換社債引受けを行う三井物産との3者間の協業により、北米での黒鉛一貫生産事業開発に向けたフィジビリティスタディを推進し、2022年度内のオフテイク契約の締結が目指される。

世界規模でEVシフトが進む中、パナソニックエナジーはその需要に対応するため、米国での車載電池の生産拡大に取り組んでおり、今後の生産能力の増強を見据え、材料の現地調達比率の向上や持続可能なサプライチェーンの確立を目指している。本件は、NMG 有するケベック州のマタウィニー鉱山で採掘された黒鉛を精製し、同州ベカンクールにある電池材料工場において負極材を生産するという“鉱山から材料まで”を一貫して北米地域で行う事業開発プロジェクトを推進するための戦略的パートナーシップである。今後、NMG、三井物産と共同で実施するフィジビリティスタディでは、NMG が生産設備や材料サンプルを開発し、パナソニックエナジーによってその評価などが行われる。

クリーンエネルギーの活用が進むカナダでは、電力の再生可能エネルギー由来比率が高く、連邦政府、各州政府ともにクリーンなオペレーションが推進されている。パナソニックエナジーは、カナダ政府が重要視する環境問題の解決に関して共通の理念を有し、さらなるパートナーシップを深めたい意思を示している。NMG の再生可能エネルギーで精錬される環境負荷の低い黒鉛材料を活用することで、2030 年度にカーボンフットプリントを 2021 年度比で半減するというパナソニックエナジーの目標に近づく大きな一歩となる。米国での電池生産に使用する材料をカナダから調達することで、サプライチェーンの距離を短縮し物流過程での CO2 排出量の大幅な削減にもつながる。

パナソニックエナジーの電池開発・製造の優れた技術と豊富な経験により、今後もリチウムイオン電池業界の成長を牽引し、同社が目指す「幸せの追求と持続可能な環境が矛盾なく調和した社会の実現」に近づけるべく、将来的なゼロエミッションの実現に向けた取り組みを加速させる。

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