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『GMエナジー』はクルマ・家・蓄電池・グリッドの電気を管理する仕組み
GMが『アルティウム・ホーム』および『アルティウム・コマーシャル』の導入を発表した。これらは既存の『アルティウム・チャージ360』と組み合わされて、『GMエナジー』と呼ばれる新しいビジネスユニット下におかれる、エネルギー管理製品およびサービスの総合的エコシステムを構築する。
『GMエナジー』のコネクテッド製品およびサービスは、双方向充電、Vehicle-to-Home(V2H)、Vehicle-to-Grid(V2G)を実行することで、家庭用、商用、それにBEVの所有者に総合的なエネルギー管理を提供する。
その構成要素は、定置型ストレージ、ソーラー製品、ソフトウェアアプリケーション、クラウド管理ツール、マイクログリッドソリューション、水素燃料電池など、である。『GMエナジー』のサービスはまた、BEVや定置型蓄電池からエネルギー消費のピーク時に電力会社にエネルギーを販売することも可能であり、これはユーザーに経済的メリットを提供するのみならず、災害時においては電力網の回復力を高めることにも貢献する。GM EV成長戦略担当副社長のトラヴィス・へスター氏は以下のように説明した。
「アメリカでは、送電網の信頼性が、かつてないほど重要になっています。『GM エナジー』は、電力の影響を緩和するのに役立つ持続可能なエネルギー製品・サービスを提供します。そして停電を未然に防いだり、費用対効果の高いエネルギー管理をユーザーに提供します」
『GMエナジー』の中心的なインターフェースは『エナジー・サービス・クラウド』である。エネルギー管理ツールにより、ユーザーを住宅と車両、商用エネルギー資産とをシームレスに接続する。ユーザーはアプリを通じて、エネルギー消費を簡単かつ効率的に管理できる。GMはすでに『エナジー・サービス・クラウド』を介して充電プログラムにBEVユーザーを登録してアメリカ4州にまたがる複数の公益事業と接続されています。
太陽光発電の設置ではSunPowerと協力する
またアメリカの幾つかの大企業は、自社顧客にエネルギーソリューションを提供するために『GMエナジー』と協力することに既に同意している。
その大企業のなかには、アメリカ有数のソーラー技術およびエネルギー・サービス・プロバイダーの1つである 『SunPower』が含まれている。両社は共同で、統合されたBEVおよびバッテリーソリューション、ソーラーパネル、家庭用エネルギー貯蔵で構成される家庭用エネルギーシステムを開発して、顧客に提供する。ホームエネルギーシステムの主な機能は、ドライバーが互換性のあるBEV用バッテリーを使用して自宅に電力を供給できるようにすることであり、停電時に自宅の必需品に電力を供給したり、ピーク時に蓄えられたエネルギーから引き出したりできるように設計されている。また、サンパワーは家庭用エネルギーシステムの優先設置業者となり、顧客に太陽光発電システムを家庭に設置する。このホームエネルギーシステムは2024 年の『シボレー シルバラード EV』と同時に発売される。
また『GMエナジー』と『パシフィック ガス アンド エレクトリック カンパニー(PG&E)とで、V2Hパイロットプロジェクトを行なう。これにより住宅の顧客は、互換性のあるBEVと双方向充電器を使用して、短期間の停電時のバックアップ電源として使用できるようになる。最初のラボテストの後、両社は2023年に開始される予定のPG&Eのサービスエリア内の住宅顧客にV2Hの提供を拡大する予定である。 へスター氏は以下のように述べた。
「我々の使命は、車両を超えたソリューションを含むエネルギー製品とサービスへの、完全なアクセスをユーザーに提供して、電気の未来へのシームレスな移行を加速することです。『GMエナジー』とともにエンタープライズビジネスの拡大により、持続可能な電力への参入障壁を下げることで、BEVの普及をさらに加速させます」