メルセデス・ベンツが、ルート上の充電ポイントを予約できる充電ネットワークを開始。10年間の電動化戦略における充電ネットワーク確立に向けてMN8 Energy社、ChargePoint社と連携

メルセデス・ベンツは、ラスベガスで開催されたCES 2023において、高出力充電ネットワークの展開を今年中に北米で開始することを発表した。ここでは、米国最大級の太陽光発電と蓄電池の所有・運営会社であるMN8 Energy社と、EV充電ネットワーク技術のリーディングカンパニーであるChargePoint社が企業パートナーとして協業する。2027年までに、北米全域で合計400以上のハブと2,500以上のハイパワー充電器を備えたネットワークを構築し、プレミアムで持続可能かつ信頼性の高い充電体験を展開する。

メルセデス・ベンツの展開する高出力充電ネットワークシステム

メルセデス・ベンツのエレクトリック・インテリジェンス・ナビゲーションシステムは、長距離を移動する人のために自動的にルートプランを最適化、ルートには充電ポイントを組み込み、あらかじめ充電ポイントを予約することで快適なクルマ移動を実現する。システムはそれぞれの場所の利用状況を把握し、必要な時間に予約した充電ポイントにすぐにアクセスできるようになっている。このシームレスな体験は、簡単で便利な「プラグ&チャージ」機能でも、さらに向上させることができる。充電ステーションは充電ケーブルを介して車両と直接通信を行うため、カード、アプリ、ヘッドユニットによる手動認証は不要。メルセデス・ベンツの顧客は、「Mercedes me connect」のサービス「Mercedes me Charge」を介してこの機能を利用することができる。

メルセデス・ベンツは、北米の地域ごとに最大350kWの充電が可能なハイパワー充電器(HPC)を4〜12基、最終的には30基まで設置する予定としている。インテリジェントな充電負荷管理により、各車両は最大限の充電能力を発揮し、待ち時間を最小限に抑えることができる。また、最適化されたステーションレイアウトにより車両の周りに十分なスペースを確保し、両側から自由に充電できるようになる。また、可能な限り充電ポイントに屋根を設置し、天候に左右されない安心な充電環境が提供される。

10年の設置ペースのために資本支出を集中

メルセデス・ベンツは、持続可能な経営戦略「Ambition 2039」に基づき、自社の充電ネットワークにおいて、グリーンエネルギーによる充電の実現を目指している。また、一部のメルセデス・ベンツの充電ハブには、照明やビデオ監視などに使用する電力を供給するための太陽光発電システムが設置される予定となっている。

北米の充電ネットワーク設立には、総額1,400億円以上が投資され、今後6〜7年の間に展開される予定である。その資本は、メルセデスとMN8がほぼ50:50で提供する。ステーションの設置自体は、ネットワークの共通性が高く、モジュール式で拡張性のあるサイト設計が望まれる。同社は、充電ネットワークがグローバルに一等地に設置されることから、それ自体が資産となる可能性も考えている。メルセデス・ベンツの高出力充電ネットワークは、同社の電動化戦略における次の重要なステップとなるものである。その充電エコシステムに関連するすべての事業は、メルセデス・ベンツ・モビリティに束ねられる。

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