本実証は、既に顧客先に設置済みのコージェネに対し大幅な改造を加えることのない範囲で都市ガス・水素混焼運転を実現するための知見獲得を目的に、東邦ガス技術研究所(愛知県東海市)において、三菱重工エンジン&ターボチャージャ製ガスエンジン商品機を用いて行ってきたもの。都市ガス・水素混焼においては、異常燃焼(バックファイア:注2、ノッキング:注3、プレイグニッション:注4)の発生が課題となるが、このたび空気と燃料の投入比率の調整等により、安定した燃焼状態での運転を確認した。
(注1)東邦ガス調べ。
(注2)エンジンの吸気側に火が逆流する現象であり、 エンジン吸気系の損傷につながる。 水素は都市ガスと比べ最小着火エネルギーが小さいこと、 燃焼速度が速いことから、 都市ガス専焼に比べバックファイアが発生しやすい。
(注3)点火時期が早すぎる場合や圧縮比が高すぎる場合に、 混合気が自着火して燃焼室内の圧力が急激に上昇する現象であり、 エンジン内部部品損傷の原因となる。 水素は都市ガスと比べ燃焼性が高く、 シリンダ内圧・温度が上がりやすいことから、 都市ガス専焼に比べノッキングが発生しやすい。
(注4)通常の点火の前に、 混合気が自着火して燃焼室内の圧力が急激に上昇する現象であり、 エンジン内部部品損傷の原因となる。 水素は都市ガスと比べ最小着火エネルギーが小さいことから、 都市ガス専焼に比べプレイグニッションが発生しやすい。
(注5)今回、 都市ガス仕様の定格発電出力で試験運転に成功。