「SP537」は、車両の加減速やロータリーでの旋回、停留所への幅寄せなど、路線バス特有の荷重変動で発生する偏摩耗を抑制したロングライフタイヤだ。また、バリアフリー対応縁石へのタイヤ接触を考慮した新形状サイドプロテクターが採用されている。
新開発された独自パターンでは、ブロックと主溝付近の剛性が高められ、さらに接地形状を均一にすることで、耐偏摩耗性能が大幅に向上※1している。耐偏摩耗性能に加え、「S.A.微粒子カーボンⅣ」を採用することで、従来品「SP527」比1.2倍以上のロングライフが実現されている。また、使い切る直前までサイプ※3が残るように深溝化することで、そのエッジ成分によってウエット性能の低下が抑制※1されている。
※1:従来品DUNLOP「SP527」との比較
※2:走行安定性・排水性・横滑りのしにくさに寄与する縦溝のリブパターンと駆動力・制動力に寄与するラグパターンを併せ持つタイヤ
※3:タイヤのトレッド部に刻まれる細かい溝
DUNLOP「SP537」 商品特長
■新開発パターンで耐偏摩耗性能が大幅に向上
新開発の独自パターンには、偏摩耗の起因となる鋭角部を減らしたシンプルなブロック形状が採用されている。また、ショルダー主溝のジグザクを緩やかにすることでブロックの振れ幅を小さくさせ、溝付近のブロック剛性が向上された。これによって、直進時・旋回時ともに摩耗エネルギーが均一化され、耐偏摩耗性能が従来品「SP527」から大幅に向上。ライフ性能の向上にも貢献している。
■耐偏摩耗性能と配合技術の組み合わせでライフ性能が1.2倍以上向上
耐偏摩耗性能の向上に加えて、カーボンとポリマーの吸着点を増やした「S.A.微粒子カーボンⅣ」を採用することで、カーボンとポリマーの結合力が強化され、ライフ性能が従来品「SP527」比で1.2倍以上向上されている。
■サイプの深溝化でウエット性能を持続
従来品「SP527」は、摩耗初期でサイプが一部消失し、トレッドパターンの外観変化や水を掻き出すエッジ成分の低下があったことを受けて、「SP537」では深溝サイプを採用することで、同様の現象が抑制されている。また、摩耗後期になるとジグザク溝が強調される溝形状と合わせてウエット性能の持続性が高められた。
■新形状のサイドプロテクターでバリアフリー対応縁石への接触を考慮
バリアフリー対応縁石は、バスが停車場に幅寄せすることで歩道との隙間や段差を小さくし、ベビーカーや車いす利用者の方でもスムーズな乗り降りを実現。歩道との隙間をより小さくするためには、縁石とタイヤを接触させて停車する必要があるため、あらかじめ接触を考慮した新形状サイドプロテクターが採用された。サイドプロテクタ—の幅を広くし、接触しやすい下部の厚みを増すことで耐久性が確保されている。