クロック発振器の多くが特定の周波数に最適化されているのに対し、ルネサスのProXOは、位相ジッタ150fs以下の高性能かつ、I2Cインタフェース経由で周波数を設定可能なため、高い柔軟性を実現する。すでにXFシリーズ(プラスチックパッケージ)と、XPシリーズ(セラミックパッケージ)を発売しており、今回新たに温度変動を低減するTCXOを搭載したProXO+の第一弾製品として、XTシリーズ(プラスチックパッケージ)を発売した。
ルネサスのデータセンタ事業部、タイミング製品担当Vice PresidentであるBobby Matinpourは次のように述べている。
「ProXO+ファミリは、通信、クラウド、コンピューティング市場にとって重要な機能である、優れた周波数安定性、良好なジッタ性能、高い出力周波数をすべての面で実現しています。さらに周波数を柔軟に設定可能なため、1つのデバイスを多くの設計に使用でき、お客様のBOMリストや部品調達、在庫管理などを簡素化します」
ProXO+ファミリの主な特長
- TCXO 搭載により、-40℃から85℃の温度範囲で±3ppmの周波数安定性を実現
- I2Cインタフェースを備え、2.1GHzまでフィールドで周波数をプログラム可能
- 135fs(typ.)の位相ジッタ(12KHz〜20MHz)
- 3.2×2.5mm、8ピン、プラスチックパッケージ
また、すでに2.5 x 2.0 mm超小型パッケージ品で人気を博している既発売のProXO XFシリーズから、業界標準の3.2 x 2.5 mmと5.0 x 3.2 mmの2つのパッケージ品を発売した。
ルネサスは、ユーザの設計を加速させ、より早く市場に投入できるよう、ルネサス製品のポートフォリオを組み合わせたソリューション「ウィニングコンビネーション」を開発、提案している。新たなProXO+ファミリは、ルネサスが提供するタイミングやパワー製品、マイコンなどと補完的に組み合わせることで、Xilinx Kintex-7 Power and Timing、CC-Link IE TSN、RZ/G2Eを用いたSoM(System on Module)ソリューションなど、様々なアプリケーションに対応する包括的なソリューションを構築することができる。