三菱ふそう、子会社の三菱ふそうトラック・ヨーロッパのトラマガル工場で欧州市場向けの新型「eCanter」の量産を開始

欧州市場向けの電気小型トラック「eCanter」新型モデル
三菱ふそうトラック・バス(以下MFTBC)は完全子会社の三菱ふそうトラック・ヨーロッパで電気小型トラック「eCanter」新型モデルの生産を開始したことを発表した。5月22日に現地で記念式典が実施されポルトガルのアントニオ・コスタ首相をはじめとする政府関係者が出席した。

「eCanter」は、ダイムラートラックが生産する初の電気小型トラックとして2017年に発売された。以来、MFTBCは550台以上の「eCanter」を世界中の顧客に納車してきた。日本のほか欧州、米国、オーストラリア、ニュージーランドで稼働しており、走行距離は合わせて800万kmを超える。

2022年9月にMFTBCはフルモデルチェンジした新型「eCanter」を発表した。よりコンパクトに設計されたドライブトレインの採用により、シャシー、ボディタイプ、走行距離のバリエーションが増えた。日本の28型式に加え、欧州向けに42型式、海外市場全体で100以上の型式が用意される予定。三菱ふそうは、車両バリエーションの拡張に加え、充電や車両の運用をサポートするサービスソリューションの提供によって、MFTBCは顧客のEVシフトがこれまで以上に容易になるよう支援する。

MFTBCでは2023年3月から川崎製作所で新型「eCanter」国内向け車両の生産が行われており、それに続いてMFTEトラマガル工場で欧州向けモデルの生産が開始された。川崎製作所とトラマガル工場では、新型の幅広い仕様に対応しながらもディーゼル車両との混合生産を継続するため、既存の小型トラックの生産ラインに多くの調整を加えた。欧州市場向けの「eCanter」はすべてトラマガル工場から出荷し、台湾、香港、シンガポール、チリなど、今後展開予定のその他の海外市場向けの車両は日本から輸出される。

またMFTEは今回、小型トラックの累計生産台数が25万台を突破した。トラマガル工場は1964年の操業開始以来、ポルトガルの産業に大きく貢献してきた歴史ある生産拠点である。これまで5世代の小型トラック「キャンター」が生産されており、欧州市場でのFUSOトラックの販売を数十年にわたり支えてきている。

(右から) ポルトガルのアントニオ・コスタ首相、MFTBC CEO カール・デッペン氏、MFTE CEOアーネ・バーデン氏

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