ロボットの時代、人の価値「日産九州工場の製造哲学」[自動車業界60秒ブリーフィング]

日産自動車九州工場は、1975年に開設された福岡県の大規模工場で、日産グループ国内生産の約半分を担う。2022年度には28万台を生産し、2023年度は40万台超の生産を見込む。セレナなどの人気車種の製造に従事する約4300名の従業員と、最先端の技術が組み合わされている。

工場では、金属シートをプレス機で成形し、各パーツを精密に切り出すプロセスから始まる。この段階ではロボットアームが使用され、品質チェックも行われている。次いで、車体組み立て工程では、約500台のロボットが3000カ所を溶接し、高剛性な骨格を構築。塗装工程では、電着塗装と吸引式ロボットを活用し、塗料の交換や塗装作業を自動化している。

組立工程では、数千点の部品を正確に組み込むためのコンピューター管理システムが導入されており、AGV(無人搬送車)が重要な役割を果たしている。従業員の作業負荷軽減も重視され、身体に優しい作業環境の実現が図られている。

最終段階の完成検査では、約700~1200の検査項目を有資格者がチェック。エンジン搭載から走行検査、センサーキャリブレーションまで、幅広い検査が行われる。出荷前の最終チェックでは、人の目と手が重要な役割を果たし、品質の高さを保証している。

より詳細を読む→一枚の鉄板から一台のクルマが誕生するまで:日産セレナの作り方

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