アウディ、ハンガリー・ジェール工場で電動車用モーターの生産を開始

アウディは、ハンガリーのジェールでPPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)用の電気モーターの生産を開始したことを発表した。この新開発の電気モーターは、PPEをベースとする「アウディ・Q6 e-tron」シリーズに搭載され、この電気自動車の生産が年末から開始される。アウディはこの準備の一環として、インゴルシュタットに独自のバッテリー組立施設も設置された。

アウディは、PPE用の電気モーターを生産するために、3つのラインを新設した。ステーターの生産ラインには28の作業工程があり、トランスミッションコンポーネントの生産ラインには15の工程が存在する。1つのアクスルを組み立てるには190の個別の工程が必要である。この工場では、約700名の従業員が生産に携わり、これらのコンポーネントを量産するため、ジェールの従業員は3交代で1日あたり最大2,000基のPPE用電気モーターを生産する。この拠点は、アウディとポルシェの両方ブランドにコンポーネントを供給しており、以前の電気モーター組み立て施設と比較して、生産における垂直統合の範囲が拡大された。

アウディにおける生産は、eモビリティへの移行に際して世界的な生産ネットワークを包括的に変革しており、「360ファクトリー」と呼ばれるコンセプトとともに、未来の生産のあるべき姿について明確なビジョンを策定している。この総合的で持続可能なアプローチの一環として、アウディは既存の工場の近代化、デジタル化の変革を進めている。ジェールでの生産は、2020年以降、すでにネットカーボンニュートラルなものになっており、この拠点の屋根にはヨーロッパ最大規模の太陽光発電システムが設置されている。また、ジェールは、産業用地熱エネルギーを使用しているハンガリー最大の工場でもあり、アウディは輸送および物流会社のDBカーゴ社と協力して、PPE用の電気モーターをジェールからインゴルシュタットまで、ネットカーボンニュートラルな方法で輸送している。

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