北米トヨタ、サーバ・ソリューションズ社と協業し自動車用中古バッテリー回収活動を推進

北米トヨタは、カーボンニュートラルと同時にクローズドループのバッテリーエコシステムを構築する使命をさらに推進するため、バッテリーリサイクル資材・管理のトップ企業であるCirba Solutions(サーバ・ソリューション)社との新たな協業を発表した。

自動車用中古バッテリーを回収する活動を推進

本契約はトヨタとサーバ・ソリューションズの関係を強化するもので、トヨタのバッテリーリサイクル網を拡大し、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、バッテリー電気自動車(BEV)を含む使用済み電動車両のバッテリー回収のための物流網を最適化する。

トヨタは現在、北米市場において、ハイブリッド電気自動車に搭載されているニッケル水素バッテリーを中心に、毎年約2万5000個の自動車用中古バッテリーをディーラーネットワークから回収しており、今後販売するバッテリー電気自動車の増加に伴い、バッテリー、特に使用済みリチウムイオンバッテリーの数が増加することを見込んでいる。サーバ・ソリューションズ社との契約を通じて、トヨタは、2022年のデータに基づき、回収・リサイクルのために走行する平均マイル数を1,251マイル(2,013km)から582マイル(936km)に減らし、中西部と東海岸地域に集中することで、全体的な輸送・物流コストを少なくとも70%削減できると見込んでいる。さらに、回収・リサイクル活動のために走行する距離を削減することで、輸送関連の排出量も大幅に削減できると見込んでいる。

北米最大級のバッテリー・リサイクル企業であるサーバ・ソリューションズ社は、豊富な経験を持ち、沿岸から沿岸までの回収・リサイクル・ネットワークを提供している。トヨタとサーバ・ソリューションズ社の協業は、中西部および東海岸地域からの使用済みリチウムイオン電気自動車用バッテリーの収集、輸送、解体、処理に重点を置く。処理はサーバ・ソリューションズ社のオハイオ州ランカスターの施設で行われる。この施設は最近、超党派インフラ法の一環としてエネルギー省から8,200万ドル(120億円)以上の助成金を受けている。この施設は、スクラップや使用済みバッテリーから重要な鉱物を95%の回収率で抽出し、バッテリーグレードの金属をサプライチェーンに供給するための先進技術を使用する。

トヨタの見据える電動車社会

世界では、トヨタは25年以上にわたって電動化車両の販売台数第1位であり、北米では2000年以降、PHEVとHEVを合わせて620万台以上を販売している。トヨタは、数十年にわたり電動化車両を市場に投入してきたことから、寿命を迎えたトヨタの電動化車両に使用されている自動車用バッテリーをいかにリサイクル、再製造、再利用するかに注力しており、その数は今後さらに増加すると見込んでいる。実際、トヨタは2030年までに使用済みバッテリーが倍増すると予測している。

同社はまた、2025年の稼働を目指し、総額約140億ドル(2兆1,000億円)を投じると発表された自動車用バッテリーの新工場、トヨタ・バッテリー・マニュファクチャリング・ノースカロライナ(TBMNC)を現在建設中である。当初2021年に発表されたこのノースカロライナ工場は、段階的に生産を開始し、北米で組み立てられる自動車をサポートするために5,000人以上の新規雇用を創出する予定としている。

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