日立・岩見沢市・井関農機がバッテリー循環によるエネルギーの地産地消に向けた実証実験を開始

日立製作所と北海道岩見沢市は、環境性と経済性を両立する持続可能な地域産業への貢献をめざし、井関農機とともに、バッテリー循環による再生可能エネルギーの地産地消に向けた実証試験を開始した。

本技術開発の概要

近年、燃料価格の高騰などにより、地域産業の生産活動に必要なエネルギー確保が課題となっている。また、脱炭素化社会の流れが加速し、太陽光や風力発電など再生可能エネルギーの地産地消や作業車両の電動化への期待は一層高まっている。これまで日立では、日立北大ラボを中心に北海道大学や岩見沢市との協創により、2021年に北村赤川鉱山施設に自立型ナノグリッドを設置し、地元企業や生産者の方々の協力のもと太陽光と温泉付随ガスを燃料とした地産地消エネルギーシステムの実証試験を進めてきた。この取り組みの中で、自立型ナノグリッドから市内に広域に分散する作業地まで、必要なエネルギーを低コストで供給する仕組みが課題となった。

本試験では井関農機が提供する電動農機に、日立が開発した可搬のAC*1/DC*2併用バッテリーを搭載して自立型ナノグリッド*3から得られる再生可能エネルギーを農繁期には農業に活用することに加え、農閑期にはバッテリを着脱してナノグリッドや電気機器に活用できるため、岩見沢市内に分散する電力系統未接続の地域産業への支援や、臨時のEV急速充電スタンドなどのインフラに供給することによる地域生活を支援する。

今回の実証試験では、井関農機が提供する電動農機に、日立が開発した可搬AC/DC併用バッテリーを搭載し、充放電計画最適化技術を用いて、充電済バッテリーを適切な時期に適切な作業地へ供給し、年間を通じたバッテリの有効活用の検討が行われる。

実証試験に先立って、日立北大ラボは北海道大学と連携し、岩見沢市の農業従事者から得られた情報を基に、自立型ナノグリッドと連携した可搬バッテリーの利用と充放電最適化計画に関するシミュレーションを実施したところ、最適なバッテリの個数や、農繁期のピーク電力を抑えることによる契約電力の低減、余剰電力を別の農繁期を迎える農地への活用などが見込まれた。

【注釈】

※1 AC(交流):電気が流れる時に電流と電圧が周期的に変化。コンセントを挿して使用する製品など
※2 DC(直流):電気が流れる時に電流と電圧が常に一定。電池やバッテリーを使用する製品など
※3 自立型ナノグリッド:太陽光や温泉付随ガスなどを活用した自前のエネルギー供給源を持つことで、エネルギーの地産地消を可能にする小規模な電力システム

キーワードで検索する

著者プロフィール

Motor Fan illustrated編集部 近影

Motor Fan illustrated編集部