ホンダは、米国での実用化に向けて、テーマパークやエンターテインメント施設、ショッピングモールなどの商業施設など、屋内外の障害物のない空間でXRモビリティ体験を楽しんでもらうことを想定している。また、「UNI-ONE」は、XRゲームにおけるモビリティとして、手を使いながら自由に移動するレースゲーム等への活用も見込まれている。
ホンダ・UNI-ONEとは、先進のセルフバランス技術と、姿勢の動きに応じてあらゆる方向に移動できるセンサーを搭載したハンズフリーのパーソナルモビリティだ。UNI-ONEは、同じ目線の高さの人と交流することで、移動をより楽しくする昇降可能なシートを特徴としている。「ハイポジション」では、立っている人の目線に近くなり、前後左右斜め全方向への移動が可能で、一方向に体を傾けて体重移動するだけで、両手を自由に使って振り向くことができる。「ローポジション」では、座っている人や小さな子どもとのコミュニケーションが取りやすくなり、ジョイスティックによるステアリング操作であらゆる方向に移動できる。UNI-ONEは、ストレスのないモビリティとして、幅広いユーザーにアピールできるように設計されており、バッテリー駆動で、最高速度は時速5.92km、最大耐荷重は109kg(編集部換算)。
「UNI-ONE」は、2013年に発売した「Honda UNI-CUB β」を進化・発展させたホンダ独自の車輪機構「Honda Omni Traction Drive System(HOTドライブシステム)」を搭載している。UNI-ONEは、HOTドライブシステムを左右2基ずつ搭載することで、あらゆる方向へのスムーズな移動を可能にしている。利用者の姿勢から、その場に留まりたい、特定の方向や速度に移動したいなど、利用者の意思を推定しながら車体が傾きすぎないように車輪を制御し、フィードバックをかけることで、速すぎず遅すぎない自然な挙動を実現する。
ホンダは2023年から、栃木県茂木町の「モビリティリゾート もてぎ」、三重県鈴鹿市の「鈴鹿サーキットパーク」、静岡県御殿場市の「御殿場プレミアム・アウトレット」など、国内で複数のユースケースを想定したUNI-ONEの実証実験を進めている。鈴鹿サーキットパークでの実証実験では、ホンダはUNI-ONEとAR技術を融合させ、実際にゲームが製作された。
ボディ寸法 | 769×680×769mm(ローポジション) 650×579×919mm(ハイポジション) |
シート高 | 551mm(ローポジション) 701mm(ハイポジション) |
本体重量 | 69.8kg |
使用人数 | 1名 |
最大耐荷重 | 109kg |
最高速度 | 5.95km/h |
航続距離 | 8.05km |
バッテリー | リチウムイオンバッテリー(交換可) |
駆動ユニット | Hondaオムニ・トラクション・ドライブ・システム(HOTドライブ) ローポジションにすると、HOT Driveの車輪と4つの補助輪が地面に接地する。 |