自動運転システムは、世界的に精力的な開発が進み、今後飛躍的な能力向上と普及が見込まれているが、その安全・安心を保証するためには、自動運転車両が直面する多様な自然環境下においてセンサーやシステムが正常に機能することを検証する必要があり、今後、全天候型環境試験に対するニーズが高まることが見込まれる。これを受け、三菱重工グループ3社は、任意の自然環境(雪、霧、雨、光など)と走行状況の組み合わせを自由に生成して自動運転システムを高精度に試験できる屋内型の統合環境試験装置と、仮想環境下における網羅的検証が可能なシステムをIDIADA社と共同で開発する。これにより、自動車OEMやセンサーメーカーによる自動運転システム開発期間の短縮および開発費用の低減に寄与することを目指す。
今回の統合環境試験装置の開発にあたっては、三菱重工が有するレーダ波反射・散乱制御技術、三菱重工冷熱が有する空調・冷凍機の環境試験技術、三菱重工機械システムが有する自動車用試験装置に関するシステムインテグレーション技術など、三菱重工グループ3社の技術を結集する。
三菱重工グループは、2021事業計画の成長戦略の一環として、「モビリティ等の新領域」におけるソリューションビジネスの開拓に取り組んでおり、本プロジェクトは「CASE化を支えるインフラ」をテーマとするさまざまな取り組みの1つに相当する。