BMW、ソフトウェア車両（SDV）のための高性能コンピューターおよびワイヤーハーネスを新規開発

BMWのモデルに搭載される4台の高性能コンピューター（スーパーブレイン）は、インフォテインメント、自動運転、ドライビングダイナミクス、車両アクセス、空調、快適性などの基本機能といった、最も重要な顧客機能のためのコンピューティング能力を統合している。4台のスーパーブレインは、現行の車両世代と比較して20倍以上のコンピューティング能力を提供し、AIによる顧客体験を含む今後のソフトウェアおよび機能アップデートにも対応できるよう設計されている。

デジタル神経系を構成する基本要素は、大幅に簡素化されたワイヤーハーネスだ。これは、いわゆるゾーンワイヤリングハーネスアーキテクチャに基づいており、従来型と比較して配線長を600m短縮、30%の軽量化を実現している。ワイヤーハーネスは、フロントエンド、センター、リア、ルーフの4つのゾーンに分割されている。スーパーブレインは、より小型の制御ユニットであるゾーンコントローラに高速データ接続で接続されており、ゾーンコントローラは、ゾーン内外の電子機器のデータフローを管理・統合する。 したがって、車両内の配線はゾーンに関連付けられ、より短く、細く、軽量化される。新規ワイヤーハーネスの配線長は、従来比で600メートルも短縮され、30％の軽量化を実現。完全に新規開発される電気アーキテクチャは、ノイエ・クラッセの導入を皮切りに、ハンガリーのデブレツェン工場で量産が開始される予定とされている。

配線をより細く、より軽くするための重要な前提条件となるのが、いわゆる「スマートeヒューズ」だ。これは、最大150個の従来のヒューズに代わるデジタルヒューズである。スマートeヒューズは、コンポーネントへのデジタル制御によるエネルギー分配をインテリジェントにプログラムすることができる。コンポーネントの選択的な起動により、運転、駐車、充電、アップグレードなど、さまざまな車両状態に対応するインテリジェントな電力モードを設計することが可能となり、不要な電力消費を特定してオフにすることができる。このように、eヒューズは20%のエネルギー効率の向上に大きく貢献している。