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背景
自然災害を起因とする自動車の被害は、近年多発する降雹(こうひょう)の他、窪地やアンダーパスの冠水による水没も多く見られる。車両水没を回避するためには、地形等を考慮したリアルタイムの雨量分析により、冠水の危険性の高い場所を把握することが求められる。しかし、道路や地面の排水能力を超える急激な雨水の増加をもたらすゲリラ豪雨は、局地的かつ突発的であることから事前予測が難しいとされている。 このような中、東芝グループが気象レーダシステム事業で培ったデータ解析技術が活用され、車両水没の被害軽減に向けたアラートを配信する実証実験が行われる。
実証実験の概要
本実証実験では、約30分先の降雨予測情報を基に、車両水没の危険性を知らせる2種類のアラートをSMSで対象者に配信し、被害の予防効果が検証される。ゲリラ豪雨の兆候や雨量を高い精度で予測する技術と、雨雲の解析技術を掛け合わせることで、従来よりも早くゲリラ豪雨を予測する。 さらに、地形情報や防災ハザードマップ、過去の被害情報等と組み合わせることで、冠水の危険性が高まっていることを事前に通知する。
アラート種類 | (1)冠水の可能性がある地理的な窪地の周辺住所に在住する対象者に配信 |
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(2)冠水の可能性があるアンダーパスの周辺住所に在住する対象者に配信 | |
対象者 | 埼玉県、千葉県、静岡県、愛知県に住所登録のある一部の自動車保険契約者 |
期間 | 2025年4月~9月末(予定) |
三井住友海上 | 自動車保険契約者等へのアラート配信、水没事故データの収集、アラートの有効性検証、サービス検討 |
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東芝デジタルソリューションズ | 気象レーダのデータ解析による水没予測、アラート配信基盤の提供 |
