STマイクロエレクトロニクス:車載システム向けの高集積インテリジェント・ハイサイド・スイッチを発表

STマイクロエレクトロ二クスは、業界初のデジタル電流検知機能およびフル・デジタルの診断機能を搭載した新しい車載用インテリジェント・ハイサイド・スイッチ「VN9D30Q100F」および「VN9D5D20FN」を発表した。

 これらの製品は、12Vバッテリを電源とするアプリケーションのハイサイド接続用に設計され、電子制御ユニット(ECU)のハードウェア / ソフトウェア設計の簡略化、およびシステムの信頼性向上に貢献する。

 両製品は、STの最新世代VIPower* M0-9技術を活用し、高効率の40Vトレンチ構造MOSFETと3.3Vデジタル・ロジックおよび高精度のアナログ回路を、QFNパッケージ(6×6mm)に集積している。小型・高集積化により、従来のドライバICと比較して、基板面積を最大40%削減することができる。

 VN9D30Q100Fは、33mチャネルと90mチャネルを2つずつ備え、VN9D5D20FNは、7.6mチャネルと20mチャネルを2つずつ備えている。両製品ともに最大6つの出力チャネルと4線のSPIインタフェースを搭載しているため、通信に必要となるマイクロコントローラ(マイコン)のI/Oピン数の削減に貢献する。また、0.1%分解能のパルス幅変調(PWM)ジェネレータにより、利便性の高い高精度の制御信号を各出力で提供し、ランプ調光などの機能を処理する。

 診断回路には、10bitの分解能と5%の精度で連続動作するA/Dコンバータが搭載され、負荷電流とケース温度のデジタル測定が可能なため、ホスト・マイコンのA/Dコンバータの使用が不要。A/Dコンバータのタスク・マネージャは、ドライバのPWMエンジンと同期しており、各出力チャネルの診断が適切な時間枠で、マイコンによる処理なしで自動的に実行される。また、2つのワンタイム・プログラマブル(OTP)入力を備えているため、システム障害によってホスト・マイコン全体の制御が失われた場合でも、リンプホーム・モードで動作を管理することができる。

 両製品は、基板設計の簡略化と電力損失の最小化を実現し、ハードウェアのコスト削減に貢献する。また、幅広いアプリケーションで動作する複雑なドライバを提供することで、車載ソフトウェアの標準仕様である「AUTOSAR」への準拠を簡略化し、ソフトウェア開発の簡略化に貢献する。

 VN9D30Q100FおよびVN9D5D20FNは現在入手可能。VN9D30Q100Fの単価は1000個購入時に約1.070ドル。VN9D5D20FNの単価は1000個購入時に約1.563ドル。

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