当該機は、従来の作業性能は維持しつつ、衝突検知警報システム、LED作業灯、多機能オーディオ、輪止めなどの新たな機能・装備を追加し、現場の安全性とオペレーターの快適性を向上させている。標準搭載した衝突検知警報システムは、本年同月に国内市場導入する電動式フォークリフト(FE25/30-2)にオプション搭載しているシステムと同様のもの。ホイールローダーの後進時に、車体後方に設置したレーダーで人・物・作業車両の接近を検知し、表示灯とブザーでキャブ内のオペレーターに知らせる。ホイールローダーの車速や稼働範囲に連動した誤検知低減機能を独自開発・搭載し、生産性は維持しつつ安全性を向上させている。掘削時や積込時などバケット操作に気をとられがちな後進時の衝突事故の軽減に寄与し、顧客の作業現場における安全性向上を実現する。
当システムは「WA270/320-8」に標準搭載するとともに、既存の「WA270/320-8」にもレトロフィットが可能。幅広い顧客へ当システムを提供することで、建設現場の安全をサポートするシステムの普及を推進する。今後は、他機種への標準装備を順次展開するとともに市場要望の収集やサポートを行い、更なる安全支援システムの向上を目指す。
※1 衝突検知警報システムの標準搭載およびレトロフィット、また今回追加された装備品は1名キャブ仕様のみに対応している。なお、オプションの組合せによっては装着できない場合がある。
新たに追加された主な特長
1.衝突検知警報システム
(1)衝突の危険度合いに応じた2段階警告
レーダーで検知した対象との相対速度と距離から判定した、衝突の危険度合いに応じて、注意喚起範囲と警告範囲の2段階の範囲が設定されている。警告ブザーの断続音の違いで、危険度をオペレーターに知らせてくれる。
(2)車両の状態に連動した警告範囲(誤検知低減機能)
ホイールローダー向けに開発した車速連動機能、ステアリング連動機能、かき上げ連動機能を備えている。車両の状態に応じて注意喚起範囲・警告範囲を変化させることで不要な警告(誤検知)を低減する。
(3)検知対象にタグやセンサーが不要
レーダーが人、荷物や作業車両を検知するため、検知対象側にタグやセンサーの取り付けは不要。
・本システムは、あらゆる条件で衝突を軽減する装置ではない。性能には限界があるため、システムに頼った使い方や間違った使い方を行った場合には、事故が発生する可能性がある。
・本システムを使う前には、必ず取扱説明書に目を通し、システムについて理解し、正しく使うことが推奨される。
・本システムは、わき見操作や漫然な操作など、オペレーターの不注意を防止するための装置ではない。
2.輪止め、LED作業灯
不意の車両の動きを防ぐ輪止めを標準装備している。また、キャブ上前方と後方にLED作業灯を標準装備し、暗い夜間の現場も明るく照らす。
3.多機能オーディオ
Bluetooth接続が可能なAM/FMラジオを標準装備している。外部入力端子(USB、AUX)を使用してデジタルオーディオプレーヤーなどの携帯音楽プレーヤーも接続が可能。
※Bluetooth 接続および、USB 接続の動作確認は一定条件下で実施したものとなっている。接続機器の仕様によっては、確認した内容と異なる場合がある。
4.IDキー
始動キーにICチップ内蔵のIDキーを標準装備。機械に登録済みのIDキー以外ではエンジンは始動できないようになっている。
【発売月】
2021年10月
【公表価格】
WA270-8:2,420万円/WA320-8:2,950万円(工場裸渡し消費税抜き)
【販売目標】
WA270-8:220台/WA320-8:290台(国内のみ)