本EV急速充電ステーションは、同時に16台のEV充電が可能なデンマーク最大規模のもので、デンマークの首都コペンハーゲンから南西へ約35kmの都市であるキューゲに設置される。運用開始は、2022年初頭を予定しており、日立エナジーはバッテリー蓄電システム「e-mesh PowerStore」、分散型エネルギー源向け監視制御システム「e-mesh Control」「e-mesh SCADA」を提供する。
化石燃料の再生可能エネルギーへの置き換えが各国で目標とされる中、バッテリー蓄電はカーボンニュートラルな未来への移行を加速するための不可欠なツールとなりつつある。デンマーク政府は、2030年までに775,000台以上のEVまたはハイブリッド車を普及させることで議会と合意しており、今回のプロジェクトは、2050年までにネットゼロ排出量を達成するというデンマーク政府の目標達成に貢献する取り組みの一つ。
クレバーは、現在、デンマークで約2,500カ所の公共充電ポイントを運営しており、2025年末までに新たに10,000カ所の公共充電ポイントを設置する予定。 今回、クレバーは、キューゲに設置するEV急速充電ステーションに、地域の電力網に直接連系するように設計された日立エナジーのバッテリー蓄電システムを組み込むことで、風力や太陽光から得られるクリーンな電力を充電に最大限活用し、24時間365日、必要なときにいつでも利用できる持続可能なモビリティソリューションを提供する。さらに、アンシラリー(周波数変動調整)サービスにより、投資を迅速に回収することもできる。
日立エナジーのグリッドオートメーションビジネスユニット担当副社長であるマッシモ・ダニエリ氏は「日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来に向けた取り組みを推進しています。本プロジェクトは、私たちが技術と、再生可能エネルギー発電、電化、エネルギー貯蔵といったエネルギー転換の要素を組み合わせることで、何が実現できるかを示しています。そして、迅速かつ大規模な電気へのアクセスを可能にし、世界的にも地域的にも人々に恩恵をもたらす革新的なソリューションを提供する取り組みの一つです」と述べている。
本プロジェクトは、EV充電ステーションを利用する通勤者やその他の運転手にとって、充電を簡単でアクセスしやすいものにすることを目的としており、8つのユニットで16台のEVを同時に充電することができる。EV充電向けのインフラには、車両の充電プロセスを制御・最適化・調整するための高度なデジタル技術が必要とされることに加えて、マイクログリッドのように、蓄電池と分散型エネルギー源との適切な連携が求められるなど、多くの要件がある。日立エナジーは、こうした要件を満たした分散型エネルギー源向け製品群e-meshのうち「e-mesh PowerStore」「e-mesh Control」「e-mesh SCADA」を提供する。