RAA227063は、SPIインタフェースを介してゲート駆動電流などの特性調整やセンス機能の構成をプログラマブルに設定できるため、ハードウェアの変更をせずに様々なモータ構成(センサ、センサレス)やモータ制御アルゴリズムを駆動可能。これにより、BLDCモータの設計を簡素化することができる。モータのインバータ設計で一般的に使用されるNチャネルMOSFETと、高い電力密度が必要な場合に使用されるGaN(窒化ガリウム)FETに対応している。RAA227063は、ルネサスのマイコンはもちろん、様々なマイコンと組み合わせて使用することができる。
RAA227063は、多くの機能を集積している。500mA対応の昇降圧スイッチングレギュレータを搭載しているため、バッテリから低電圧ICへ電力を供給する電源になる。また、マイコンに電力を供給できる200mAのLDOレギュレータも搭載。プログラム可能な可変ゲイン差動アンプを3チャネル内蔵しており、3シャント構成を容易にプログラミングできる。これにより、設計の簡素化、BOM(部品)コストと基板面積の削減を実現している。
ルネサスのインダストリアルアナログ事業部のVice PresidentであるDavin Lee氏は次のように述べている。
「モータ制御システムを開発されている世界中のお客様から、コストとスペースを削減するために、迅速な設計サイクルと高集積化を可能にする柔軟なソリューションが求められています。RAA227063は、これらの機能をすべて備えており、業界をリードするルネサスのマイコンのポートフォリオを補完するものです」
3相スマートドライバRAA227063の主な特長
・高集積化により、インバータの設計が容易になり、アプリケーションの要件に合わせて多様なマイコンを選択可能
・NチャネルMOSFETとGaN FETの両方に対応
・ホールセンサやエンコーダなどのポジションセンサを備えたBLDCモータ、およびセンサレスBLDCモータをサポート
・6ステップ台形、150度駆動、ベクトル制御のモータ制御アルゴリズムをサポート
・逆起電力(BEMF)検知機能により、センサレス制御を実現
・最大3相の電流検出をプログラム可能
・豊富な安全保護機能により、インバータを致命的な故障から守り、異常警告を表示することでトラブルシューティングを容易化
・デッドタイム調整機能により、スイッチングによる電力損失を最小化
・ゲート駆動電流調整機能により、ハードウェアを変更せずにスイッチング特性を調整可能
・サンプル/ホールド機能により、電流検出、あるいは位置検出の柔軟性を向上し、汎用マイコンでのBLDCモータ駆動が可能
・7mm×7mmの48ピンQFNパッケージ
・複数のCPUカードを使用できる500Wのインバータを搭載した評価キット「RTKA227063」を提供