Valeo SCALAを搭載したメルセデス・ベンツSクラスは、高速道路や渋滞時(現在は時速60km以下)などの制御された条件下において、条件付き自動モードで運転できるようになる。この条件付き自動モードでは、車両が運転を完全に制御。つまり、ドライバーは一時的に前方の道路から注意をそらすことができる。高速道路走行中の条件付きで自動モードでは、ドライバーはリラックスしたり、運転以外のタスクに集中したりする時間を得られる*。許可される活動には、電話をかける、ネットサーフィンをする、電子メールを読むことが含まれる。これらはすべて、車両に組み込まれているインフォテインメントシステムを介して行われる。
*システムがドライバーにそう要求した場合、あるいは自律機能の正しい動作条件がもはや適用されないことが明らかな場合には、ドライバーは常に制御を取り戻し、必要に応じて運転する準備ができている必要があります。
レベル3自動運転には、一連のセンサーと組み合わせたLiDARテクノロジーが不可欠。ヴァレオのLiDARは世界で最初に量産されたレーザースキャナーであり、すでに発売中の車両に搭載され、信頼性においても自動車市場の厳しい仕様を満たしている。さまざまな状況やあらゆる気象条件で独自の優れた検知性能を発揮し、車両の前方を1秒間に25回スキャンする。
このデバイスはまた、200メートル以上の長距離の検知範囲と広い視野角を兼ね備えている。ヴァレオSCALAは2017年の発売以来、15万台以上が生産されている。より高性能な第2世代LiDARは、2021年に市場に投入され、新型メルセデス・ベンツSクラスに初めて搭載される。
また、新型メルセデス・ベンツSクラスは、ヴァレオの新世代LiDARクリーニングシステムを搭載する初の車両となる。車載LiDARでは、あらゆる季節と道路状況において視野をクリーンに保つことが必要。そこで、新型メルセデス・ベンツSクラスでは、ヴァレオの2つのイノベーションを備えたデバイスが装備される。第1は、洗浄液を噴霧する伸縮ノズルを加熱することで氷を解かす解氷機能。第2は、従来のノズル式のように一点からスプレーするのではなく、液体のカーテンをLiDARの表面全体に吹き付けてクリーニングする新方式。ヴァレオのクリーニングシステムはセンサー自体に組み込まれるように設計されていて外から見えず、車両の外観に影響を与えない。