今回の受賞は、BASFのUltramid(ウルトラミッド)の革新的な利用によって、トヨタ「シエナ」2021年モデルの3列シートの質量を低減させ、 車両軽量化を実現したことが認められた。
「今回の受賞を非常にうれしく思っています。このシートは、旧モデルに比べて30%軽量化されており、すべての性能基準を満たしながら、競争力のある価格を実現できました。これは、トヨタのシートチームと、BASFおよび Flex-N-Gateのサポートがなければ、 実現しなかったでしょう」と、米国ミシガン州にあるTMNA R&DのBody Design Seats Group、Todd Muck(トッド・マック)氏は述べている。
この3列シートの設計は、射出成形されたシートバックとしては初めて、一体成形としての設計を実現させた、ユニークな技術。また、衝撃に対する要件も満たしていることが確認されている。
「BASF独自のCAE(コンピュータ支援エンジニアリング)ツールである Ultrasim(ウルトラシム)の活用により、様々な開発フェーズでの正確なCAEシミュレーションを可能としました」と、BASFパフォーマンスマテリアルズ事業本部北米地域トランスポーテーション部門、バイスプレジデントのジェフ・アルメイダ氏は述べている。
SPEのAutomotive Innovation Awards programは、自動車業界、プラスチック業界において最大でかつ、最も歴史のあるコンテスト。自動車メーカー、サプライヤー、ポリマー製造業者で構成された数十のチームが、各自のパーツやシステム、あるいは完成車のモジュールが、いかに「その年の最も革新的なプラスチックの使用方法」にふさわしいかを競うもの。