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キュートなルックスに騙されてはいけない!?
BNR34純正タービンを回し切る珠玉のフルチューンエンジンを搭載
動画サイトやSNSを中心に、その驚異的な速さから定期的に話題にのぼる“ホンダオート岡山販売”のトゥデイ。ミニマムボディで大排気量スポーツ勢を追い回す姿は、軽自動車ファンならずとも興奮モノだ。
現在では、20名弱のトゥデイ乗りが集う大所帯になっているそうだが、そんな岡山トゥデイ軍団を率いているのがホンダオート岡山販売の代表にして、”1号機”と呼ばれるこのマシンのオーナーである近藤さんだ。
膨大な時間を費やして作り上げた相棒は「街のスーパーに止まっていそうな普通の軽」をコンセプトに、速さを主張しすぎないスタイリングで構築。しかし、その中身は長年のノウハウが詰め込まれたフルチューンスペックだ。
エンジンはライフダンクに搭載されていたE07Zに換装。排気量は660ccのままとされているが、特注のピストン&コンロッドに交換し、さらにカムはIN/EXともに280度に加工。クランクシャフトは、カウンターウエイトを備えるホンダ・Z用をDLC/WPC加工した上で組み込んでいる。
そんな強心臓に、ワンオフのEXマニを介してR34GT-R純正タービンをセット。マネージメントに導入したEMCフルコンのローンチコントロールを利用し、常に2.4キロのハイブーストをキープできるようセッティングされている。最大ブースト圧は2.8キロの設定で、230psを絞り出す。
高出力エンジンに欠かせない冷却系は、リヤに配置されるオイルクーラーで解消。フラットボトム化しながらディフューザーの一部をくり抜くことで、オイル冷却を効率的に行うシステムが組まれている。
フロントサスペンションは、シルビア用のレーシングギアダンパー(スウィフト16kg/mm)やNボックスのアルミ製ナックルアームを加工流用してセッティング。
フロントロアアームは延長加工を行いながらロールセンターも適正化。キャンバー角はコーナリング時の接地性を重視し、ネガ4度の設定だ。
リアはアクスル加工を行いながら、しっかりと接地できる足回りを作り上げている。ダンパーはTRDベースでスプリングはスウィフト12kg/mmだ。
ブレーキはフロントにフィット純正を、リヤにはシビックのユニットを丸ごと流用。「リヤが効果絶大でしたね。トゥデイは元々ドラムブレーキ仕様なので、ディスク化でフィーリングが大幅に向上しました」とのこと。
あくまでも素の軽自動車を装いたいため、ホイールは鉄チン風デザインのスーパーラップ(6.5J)をセレクト。タイヤはフロントに185/55R14、リヤに165/55R14サイズのアドバンA050を組み合わせる。
エクステリア同様にコクピットも純正風を装う。ダッシュボードやパネル類は全てノーマル状態をキープしながら、必要なメーター類はコンソールボックスにレイアウト。メータークラスターには、デフィの1万1000rpmスケールタコメーターとブースト計をスマートにインストールしている。
ボンネットをはじめ、ルーフやドアパネルなどはワンオフのカーボンを使用。さらに、サイドとリヤのウインドウは全てポリカーボネイト製に交換されており、内装フル装備ながらも680kgの車重をキープしているのだ。
岡山国際サーキット最速の軽自動車を名乗るだけあって、ベストタイムは驚異の1分44秒。タイムアタックの聖地、筑波サーキットも初走行で1分3秒を叩き出すなど、マシンスペックは超一級品。軽4耐久からトゥデイ一筋で走り続けてきた男の愛機は、軽自動車の概念を覆すほどの速さを秘めたスーパーチューンドなのだ。
●取材協力:ホンダオート岡山販売 TEL:086-277-5525
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