目次
コスモ用13B-Tスワップ+ビッグタービンで530馬力を発揮
日本車らしからぬテイストで仕上げられたドラッグ仕様
『ロータリーに敵なし』とまで言われ、レースシーンではデビューからわずか4年数ヶ月で国内100勝を達成したサバンナ(輸出名称:RX-3)。当時、無敵を誇っていたスカイラインGT-Rの50連勝記録を食い止めた伝説を持つ、名車中の名車だ。
そんなサバンナをベースにしたチューニング&カスタムマシンは、実は海外にも非常に多く存在する。それほどファン層の広い車種なのである。
ここで紹介する4ドアの前期モデルは、ロータリー人気の高いオーストラリアでドラッグスタイルのショーカーとして製作された後、日本へと再帰国。埼玉県の“トップフューエルレーシング”でメンテナンスが行われている車両だ。
コスモ用の13B-Tをベースにサイドポート拡大加工が施されたエンジンは、ギャレットのGT4294タービンを組み合わせてブースト1.3キロ時に約530psを発揮する。2ローターのサイドポート仕様としてはかなりの高出力型だ。
ミッションは、現地の競技レギュレーションに即してマニュアル操作のジャトコ製トルクコンバータータイプを装備。シフト後方にセットされているのは、コンピュータ(マイクロテック)の調整用コマンダーツールだ。
重要な駆動系は、フォードの9インチデフ(ホーシング)をナロー化して搭載。これは、高出力エンジンに対応するためのキャパシティアップと、ゼロヨン走行時の直進性&トラクション性能の向上を目的としたチューニングだ。
トランクルーム内には安全タンクやコレクターなど燃料系パーツを整然とレイアウト。リヤのタイヤハウスはナローデフ化に合わせて完全に作り直されている。
エキゾーストマフラーは、トップフューエルレーシングによるワンオフのセンター出し仕様。フルストレートながら大型のサブタイコを入れ、消音・高性能の両立を狙っている。溶接の美しさなどは職人技だ。
ホイールはSIMONSの18インチで、タイヤにはミシュランのパイロットスポーツ(F215/35-18 R335/30-18)を組み合わせている。
内装のメイキングも凄まじいの一言。ダッシュボードから内装パネル類に至る全てのパートをリメイクし、RX-3の面影を一切感じさせない近未来的な空間を演出。カスタムオーディオも徹底され、とてもドラッグスペシャルとは思えないクオリティだ。
ヘッドライトはHID化。灯火類の刷新は、快適性向上だけでなく見た目の引き締めにも大きく貢献する。鮮やかなボディカラーはオリジナルのグリーンパールだ。
世界最強クラスのRX-3といっても過言ではない異色ドラッガー、こういう想定外チューンドがゴロゴロしているからドラッグの世界は奥深く、そして面白いのだ。
●取材協力:トップフューエルレーシング 埼玉県越谷市東町5-209 TEL:048-935-1913
記事が選択されていません【関連リンク】
トップフューエルレーシング
http://www.topfuel.jp/