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AP1型に2.2Lハイコンプ仕様を搭載!
9000rpmまで安心して回せる超刺激的なストリートスペック
オールドシビックのK型エンジンスワップなど、ホンダ車チューニングにおいて無類の強さを誇る“レーシングサービスファクター”。今回紹介するS2000は、そんな同社が「サーキットもストリートもストレス無く」というテーマで仕上げたチューンドだ。
エンジンルームに収まるのは、F20Cをベースに排気量の拡大や圧縮比アップなどで、最高出力を295psにまで高めたオリジナルの2.2Lコンプリートユニット。吸気ポートの加工などで吸気の流入速度を高め、燃焼効率の向上を図るなど、ヘッドチューンも積極的に展開し、パワーとトルクを両立した高回転型ユニットに仕上げている。4-2-1レイアウトのステンレス製EXマニもオリジナルだ。
ラジエターはZ32純正を使うことで省スペース化を図り、エアクリに走行風を送り込むためのダクトを設置している。実はこのZ32用ラジエター、サイズはコンパクトだがサイドタンク式になっており、想像以上に冷却能力が高いのだ。
エキゾースト環境は効率重視でワンオフの1本出しを採用。高回転時のVTECサウンドは痛快の一言だ。
オリジナルの車高調キットは、30段階の減衰力調整機構を備えた全長調整式。ハネずにしっかりとストロークし、路面の追従性としなやかな乗り味を実現している。フロント12Kg/mm、リヤ14Kg/mmが標準レートだが、デモカーでは16Kg/mm&18Kg/mmを使用。
また、S2000はサーキット走行などのハードユースを重ねていると、フロントアッパーアームの取り付け部が剥がれてくる車両が多い。そこでファクターでは、この取り付け部に当て板を溶接して、強度アップを図っている。
その他、ハンドリング面でのモディファイは、リヤメンバーの加工によるジオメトリーの変更も行われている。「S2000の中でもAP1の前期はとくにナーバスな傾向にあるので、リヤのトラクションを稼ぎ、いかにマイルドな挙動を作り出すかがポイントになります」とはファクターの伊藤さん。
ロールケージは無限の6点式をベースに、パイプを追加して構築したオリジナルの13点式。フロントはAピラーと溶接接合させ、リヤはソフトトップを取り払い、ストラットタワー付近の剛性アップを意識したボディ作りを行なう。サイドにはクロスバーも加わり、全体的に剛性が高められている。
フェンダーは純正を叩き出して、前後とも片側20mmずつ拡大。これにより、シルビアサイズのホイールチョイス(ウエッズスポーツTC105N:F17×8.0J+38 R17×9.0J+35)が可能となり、ワイドトレッド化によってコーナリング時の接地性を高めることができた。タイヤには、アドバンA050(F235/45-17 R255/40-17)を組み合わせている。
強烈なダウンフォースを生み出すGTウイングはボルテックス製をセット。
一方で、フロントにもウェーバースポーツのバンパーやアンダーパネルを装着し、前後の空力バランスを整えている。
このAP1はファクターではオールラウンド仕様と位置付けながらも、岡山国際では1分45秒、セントラルサーキットでも1分29秒という実力を発揮。それ以外にも街乗りをはじめ、ワインディングやハイウェイクルーズなど、様々なステージでの実走テストを繰り返しながら、オリジナルパーツの開発に役立てているそうだ。
●取材協力:レーシングサービスファクター 大阪府堺市北区中村町756-5 TEL:072-251-4300
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レーシングサービスファクター
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