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今後のタイムアップはパドルシフトのセッティング次第
究極のGRヤリスの進化はまだまだ終わらない!
4WD+ターボを得意とするプロショップとして、数々の記録を打ち立ててきた老舗チューナー“ガレージGフォース”。
当然のように、GRヤリスもデリバリー開始直後からチューニングを推し進め、軽量化→フルコンによるブーストアップ→フルタービン仕様…と、着実にステップアップ。そして、2024年2月に目標として掲げていた筑波サーキット55秒台を見事に達成。このタイムは、GRヤリスでのレコードタイムである。
エンジンは腰下をオリジナルのピストンやコンロッドで強化し、ヘッドもケルフォード製カムシャフト、強化バルブスプリング、チタンリテーナーなどを組み込んでブラッシュアップ。そこにGCG G25-660タービンをセットし、モーテックM142で綿密に制御することで、1.6Lの3気筒エンジンながら最大ブースト圧1.9キロ時に約600psを叩き出している。
600psのパワーを伝達するミッションは、WRCなどの競技でも実績のあるチェコのコトーチ製7速シーケンシャルだ。削り出しのケース+7速ということで純正よりも重量増にはなるが、その分、高出力を許容できる強度を持つ。
さらに驚くのは、シフト操作のパドル化を実現している点。電子制御スロットル+モーテックの成せる技と言えるが、これにより電光石火のシフトチェンジを可能としているわけだ。
変速を司るアクチュエーターのエアタンクは、助手席側にバッテリーとともにマウントされている。
クスコ製のロールケージが覆い尽くすスパルタンなインテリア。ドライバーズポジションは、レカロのフルバケ(RMS)とナルディクラシックで最適化。メインメーターはモーテックC127ディスプレイロガーに置き換えられている。
サスペンションはGフォースのオリジナル車高調で、スプリングレートはフロント14kg/mm、リヤ16kg/mmの設定。そのほか足回りは、スーパーナウ製のロワアームピロやクスコ製の強化スタビライザー&メンバーカラーも投入済みだ。
ホイールは前後共に11Jプラス15×18のボルクレーシングZE40。タイヤは極太のアドバンA050(295/30-18)を組み合わせる。
エクステリアは、サーキットでのパフォーマンスを突き詰めたバリスの高機能エアロシステム“神風-KAMIKAZE-”でコンプリート。このボディキットのポイントは、やはり前後の強烈なワイドフェンダーだろう。実走行を繰り返しながら安定する挙動のトレッド値を計算し、ワイド幅は前後50mmに設定。これにより、11Jのホイールと295/30サイズのタイヤを飲み込む事が可能となったのだ。
今後についてガレージGフォース田澤代表に尋ねたところ、「パドルシフトの制御を煮詰めれば、コンスタントに55秒台、条件次第で54秒台も狙えるポテンシャルを秘めていると思います。ただ、筑波55秒台をターゲットに進化させてきたクルマなので、ここから先どうするか悩みどころというのが本音ですね」と語ってくれた。
圧巻の速さを見せつける老舗ショップのGRヤリス。今後どのような方向に舵を切るのかは不明だが、さらなる進化が非常に楽しみだ。
●取材協力:Gフォース 神奈川県横浜市鶴見区獅子ヶ谷2-39-68 TEL:045-716-8013
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